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第十六章・4

「ね、衛さん。メビウスは3日までお休みだよね」 「ああ。少し、長すぎたかな」  全然、と早紀は寝返りをうった。 「三日間、こうしてたいな~」 「おいおい。三日間、ベッドの中か?」  二人はマンションに戻り、すでに寝室にいた。  おせちも、お雑煮も食べた。  初詣を済ませ、年賀状も見た。  夕食を終え、バスを使って、髪を乾かして。 「さて、寝るか」 「ちょっと、衛さん!」 「何だ?」 「まさかこのまま、ぐうぐう眠っちゃう気じゃ、ないよね?」  ダメなのか、と問う衛の顔は、意地悪をしているようには見えない。  もう、と早紀は唇を尖らせた。 「僕の方から、おねだりしなきゃいけないの?」 「さすが、若いなぁ」 「32歳だって、まだ若いですー」  では、と衛は早紀の手を握った。 「姫初め、しようか」 「解ってたんだ、もう!」  早紀は衛に被さり、襲うようにキスをした。

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