生かすも殺すも俺次第。 　こいつの運命を握っている感覚は、俺に堪らない興奮を与える。 　根本まで飲み込ませた２本の指で、ねっとりと中を撫で上げながら、気を紛らわせるように、真っ平らな胸を揉む。 　刺激にぷっくりと膨れた乳首を指の腹で捏ねれば、連動するように、孔の中がうねった。 　感度は良さそうだ。 　苦痛だけではないこの行為に、男の恐怖心が和らいでいく。 　感じたくないのに、快感に堕ちていく身体に、心が崩れて堕ちていく。 　柔らかくなったそこから指を引き抜いた。 　前を寛げ、臨戦態勢になっているペニスを押し当てる。 「んーっ、ふっ………」 　自由な足を暴れさせ、逃げようとする身体を押さえ込む。 　ずぶずぶと熱くうねる孔の中へと自身を沈めた。 　連動するように、痛みに息を詰めた男の瞳から涙が溢れた。 「喰い千切られそ……」 　あまりの締めつけに、俺の顔まで歪んだ。 　くっと奥歯を噛み込み、刺激から意識を逸らす。 　男は、痛みから逃れたい一心で、懸命に強張る身体から力を抜こうと試みる。 　ふぅっ、ふっと小さく息を継ぎながら、苦痛の奥にある快感を探り始めた。 　はっと吐き出した息の熱さに、自分が想像以上に、興奮しているコトに気づく。 　煽られる肉欲に、ぞわりと背が痺れた。 　ゆるゆると腰を引き、微かに膨れている前立腺を押し潰すように、再び埋める。 　刺激に反応するように、襞が媚びるように絡んでくる。 　男の喉奥から、甘い呻きが溢れ始めた。 　悔しいのに、堕ちていく快楽の沼。 　苦悶と快感の狭間で歪む表情が、俺の嗜虐心を掻き立てた。 　這い上がろうと足掻けば足掻くほどに、身体は気持ち良さに溺れ、男の表情は蕩けていく。 　痛みに萎れるかと思われた男のペニスが、触ってくれというように、身体の間で跳ねた。 　威勢を失わない男のペニスを、やんわりと握る。 　たらたらと涎を垂らすそれを扱けば、内襞は精液を搾り取ろうとするかのように俺のペニスに絡みつく。 　身体は完全に、俺に堕ちている。 　俺が刺激する度に、中も外も、堪らないというように細かに震える。 「ほら。ちゃんと見ろよ。お前を啼かしてんのは誰か」 　自身のワイシャツの前を肌蹴させ、右胸に描かれた白いユリの花を見せつける。 　一纏めにしてある手を引き、右胸を彩(いろど)る白いユリに触れさせた。 「この刺青(すみ)、覚えとけよ？ またお前見つけたら、啼かせるからな？」 　くんっと腰を跳ね上げ、奥を抉る。 　びくんっと大きく跳ねた男の身体は、中を痙攣させながら、だらだらとカウパーを溢れさせた。 「２度と陽葵に近づくんじゃねぇぞ？」 　鼻から抜ける甘い啼き声を放つ男の頬を、軽く手の甲で叩いた。 　叩いた頬に、男の反応は薄い。 　焦点の定まらない瞳は宙を見つめ、甘い息遣いに混ざるように、男の鼻がぐずぐずと鳴っていた。