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第94話 えげつない色気 < Side 天原

 レンズ越しでも、羽雨の色気はえげつなかった。  ネコになりたかったが、魅力が足りないとぼやく羽雨。  俺に言わせれば、この色気を引き出せない相手が下手くそだっただけの話だ。  気持ち良さげに身体を燻らせ、1人遊びに没頭する羽雨。  汗を滲ませた赤く色づく背が、淫靡に揺蕩い、俺の性欲を視覚越しに挑発してくる。  目の前で展開される1人遊びに、置いてけぼりを食らった感覚だった。  ベッドに転がっていたピンクローターを手に、震わせたそれを羽雨の背に垂らす。  驚きに声を零した羽雨は、とろりと溶け出しそうな瞳で、その存在を確認する。  撮影時、ネコを抱く羽雨の背中が画面に映る。  その背の靭やかな動きが、色気を放ち、見ている者を魅了する。  色っぽい羽雨の背中は、俺を堪らない気持ちにさせる。  避けるコトも出きるはずなのに、羽雨は身体を跳ねさせながらも、そこから逃げてはいかなかった。  もどかしい刺激に、アナルを犯していた玩具の動きが疎かになる。  玩具を咥え、刺激を求め貪欲に蠢く孔を見やる。  背を(もてあそ)んでいたローターを放ち、羽雨の手ごと玩具を握った。  ずずっと引き抜けば、離すまいとするように赤く滑った内襞を捲れさせる。  敏感な粘膜に、ふぅっと悪戯に息を吹きかけてやる。 「ひゃ、ぁ………」  ぐにゅぐにゅと蠢く孔は、物足りなげに玩具に喰らいつく。  ネコになりたいというのなら、こうして虐められるのも満更でもないのだろう。 「食い散らかしてきた委員長を“お仕置き”するっていうのも、いいかもな…?」  角度を変え、腹側を抉るように玩具を押し込んだ。 「……っ、ぁあ…」  悦楽に震える身体が赤く染まり、淫靡に揺らぐ。  動きを止めた俺に、羽雨の身体は、快感を得ようと無意識に媚びてくる。  造られた色気ではなく、駄々漏れるフェロモンが、俺の本能を煽る。  玩具に撓垂れる羽雨の姿に、腹の底が、じわりと煮立った。 「はぁ……。なんか、ムカつくな」  揺らぐ腰に、ぐち、ぐちょっと粘着質な水音が響く。  奥底を捏ねる玩具に甚振らる内襞が、気持ちよさげに、ぐにぐにとそれを(ねぶ)る。

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