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1-4-2 ジェイ
「あれ?」
気がつくとルキウス城前で佇んでた。
さっきまで牢屋に入れられていた筈。
「そ、そっか、ゲームだからやり直し…っ。」
じゃない、ここはゲームの世界じゃない。
あの魔法チート王子の言うことは正しかった。
リシェールだって、俺だけの物じゃないんだ…。
でも……。
ルキウス城に入る。
玉座の間にはゲームだといっつもリシェールが居た。
人気が無かったから、そっと中を窺う。
そこにはリシェールが居た。
泣いている!?
俺はすぐに駆け寄って、リシェールを抱きしめる。
「……ジェイ!?」
ああ、そうだよ。
リシェールはこうやって呼んでくれた。
あのリシェールは俺を知らなかった。
「リシェール、泣かないで。どうしたの?」
「わ、私は……責務を放棄して…辛い事を全部柚希さんに押し付けてしまった…。」
柚希って言うのがあの子かなぁ?
成程、転生では無かったんだね。
「リシェールは何も悪くないよ。ね、何かしちゃったなら、全部俺が被ってあげるよ?」
「そうではなく、もう謝ることも出来ないのだ…せめて一言…。」
紫の瞳から流れる涙が綺麗だ…。
「あの子は気にしてないと思うよ?大丈夫、落ち着いて、ね?」
リシェールの両肩を掴んで、唇にキス。
舌を入れて、リシェールのそれを擦り立てる。
「ん…っ!」
すぐに唇を放す。
「じ…ジェイ…何故このような…っ!」
ああ…この反応だ。
顔を真っ赤にしてわなわなしながらも気高い。
リシェールは泣くのを止めてくれた。
「リシェールは俺を救ってくれたんだよ。何にも無かったスッカスカの俺にたくさん言葉をくれたんだ。自分らしいままでいい、そのままの俺が好きって。」
リシェールは何の事だろうと思案顔になりながらも、俺の言葉に耳を傾けている。
「だからね、リシェールに俺は救われたから、今度は俺がリシェールを助けたいんだ。」
「そ、そんな…私にそのような価値な…んっぅ!」
言葉を遮るように唇を封じる。
舌で口内の唾液をかき混ぜるようにしてリシェールの口内を蹂躙する。
「んっ…ふぅ!」
舌で舌を舐め取ってから唇を解放する。
「価値が無いなんて言わないでリシェール!リシェールは俺にとっての大切な存在。他なんか目に入らない。リシェールが居てくれるだけで、俺は生きていけるんだ。」
身体の力を抜くリシェール。
「……ジェイ…貴方はこのような私でも、愛してくれるのですか?」
その言葉が聞けた時確信した…ああ『本当のリシェールにようやく逢えた』って。
俺を救う言葉をくれたリシェールは君なんだって。
勿論ゲームの世界じゃなく、生きている『俺だけの』リシェールに。
リシェールは頬を染めて『俺のためだけの笑顔』を浮かべてくれた。
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