31 / 67

2-5 side:リシェール ※ 輪姦

 滅ぼされたルキウス城が元通りにされていた。  但し城だけだが。  サフィに転移の魔法で連れて来られてすぐ見たその光景に、唖然とするしか無かった。  私は両手を後ろ手に戒めらている。 「何の真似だサフィ…。」 「私は役に立ったでしょう?兄上が望むなら城だけじゃなく城下町も戻しますよ?」  人が居ない城や町を復活させようとしているだけの事に何の意味があるのか。  そもそもこんな力はサフィには無い筈。  先程の転移や、ヨウタを倒した攻撃だって……。 「何をしたんだ、サフィ…。国を滅ぼした奴と繋がりでもあるのか?」 「ああ、マクシミリアン…彼は役に立ってくれましたよ。私にこんなに素晴らしい力を与えてくれたのだから。」  奴の名前とサフィの力の正体を聞く。  だが、どんな攻撃が効くかなど、具体的な事がわからない。 「お前はそれで……何がしたい…。」 「私は兄上が欲しいだけです。」 「兄弟だからそういう関係にはなれない。」 「兄弟での近親結婚は少なくないではないですか。」 「私がお前をそういう目で見る気は無いと言っている。」  そう告げると、サフィの穏やかだった表情が苛立つものに変わり、屋外であるにも関わらず、サフィは私を組敷く。 「やめ…っ!こんな事をされたって、私は決してお前を愛する事は無い!」 「……本当にそうなのかどうか、身体に聞きますよ。」  もうサフィを止められないと判断した私は、ひたすら耐えて終わるのを待つしか無いと、きつく目を閉じた。 「サフィーニ、それは私のだよ。」  サフィの動きが止まる。 「…マクシミリアン、兄上は私のだ!」  声の方を見遣ると、あの時国を滅ぼしたあいつの姿。 「リシェールを捕まえたら私に渡せと命令したよね?」 「兄上は私のだ!!」  サフィは私の上から退くと、マクシミリアンと同じ力を顕現させ、マクシミリアンにぶつける。 「私が与えた力で私が倒せるわけ無いだろう…。」  そう告げると、サフィが放った力に更に自分の力を乗せてサフィにぶつけた。  サフィは声も無く掻き消えてしまった。 「サフィ!嘘だ!」  避けはしたが、死んで欲しいと思った事など無かった。  目の前の事が信じられな過ぎて思考が停止する。  マクシミリアンが近付いて来て、私の頬に髪にと触れて来る。 「さあ、今度こそ私の物に。」  マクシミリアンは私に口付けて、舌を侵入させて来た。  その舌に噛みつく。 「っ…そういう態度なら、堕ちるまで身体に言い聞かせてやろうじゃないか。」  不機嫌が露になったマクシミリアンは、転移で数人の人間を呼び寄せた。 「やれ。」  マクシミリアンの合図で仰向けに腿を抱え上げられた態勢で、男達が私の衣服を脱がす。  後ろ手の戒めで全く抵抗出来ない私はされるがままに。  すぐにマクシミリアンの指が、私の後ろに入って来る。  別な男は私の口に自身を突っ込む。  後孔を弄っていたマクシミリアンは同時に私自身を扱き出しながら、耳許で言う。 「私の物になると、名に誓って言うまでずっとこの状態だよ。」  国を滅ぼしサフィを殺した者などに屈する訳が無い。  その思いだけを胸にした。  オイルで私の後ろをある程度弄ると、マクシミリアンは私の中に侵入する。 「……っ――っ!!」  まだよく解れていない場所に侵入されて、苦痛で呻く。 「これが好きだろう?」  仰向けのままマクシミリアンに揺さぶられ、口に入った男は喉を突き上げる。  イったりするものか……そう思ってはいたものの、慣れているのか的確に前立腺を突きとめられて攻め立てられる。 「…っく……ぅっ……!」  腰がビクつく。  口の男が射精し、腰を引き抜いていく。 「ケ……フッ…!」  口が解放されて咳込み、口に出された精液を吐き出す。 「飲めば良かったのに……ああ、私の以外は飲みたくないのか?」 「……っ…。」  弱点を突き上げられる快感に耐えるのが精一杯で、マクシミリアンに答える余裕が無い。 「可愛い言葉はどれぐらいで言ってくれるのかな?ねえっ!」  無視したと思われたのか、突き上げを速められる。 「ぅ…あぁ……っ…く…ぅ…っ!」  絶対言うものかと口を強く閉じて、達してしまった声を上げないで回避した。 「……わかった、耐久レースだ。」  マクシミリアンは私の中に放つと、言葉を出さない私に苛立ったらしく、私を抱え上げて、マクシミリアンのモノが入ったそこに他の男を入れさせようとする。 「……っく……!」  今にも先端が入りそうな感覚がして、震えてそれに耐えていた。 「リシェールを放して下さい!」  魔法が放たれ私とマクシミリアン以外の人間が跳ばされ地に伏す。  頭上からの声に安堵した私は意識を落とした……。

ともだちにシェアしよう!