「んっ……、ふぅ……」 　恍惚としかけていた優真だったが、突如ぎょっとした。キスに気を取られているうちに、氷室は優真のシャツの中に手を潜り込ませていたのだ。素肌を直に愛撫されて、優真は思わず声を漏らした。男に触られて、気持ち良いはずなんてない。そう思うのに、なぜか躰は昂っていく。 「あっ……、ああっ……、んっ……」 　身をよじって抵抗するも、氷室は器用に優真のシャツを脱がせていく。そして、シーツの上に押し倒した。 「やっ……」 「良くしてやる」 　ぺろりと首筋を舐められて、躰が跳ねる。逃れようとしても、しっかりと体重をかけて押さえ込まれ、身動き一つできない。 　氷室は、優真の首筋にキスを繰り返しながら、胸の両の突起を軽く摘まんだ。からかうように、だが執拗に、揉んだりこねたりを繰り返す。次第にぞくぞくと不思議な感覚が湧き上がってくるのを、優真は感じていた。 「はっ……、あっ……、ああンッ……」 　信じられなかった。女性でもないのに、乳首で感じるなんて。氷室がにやりと笑う。 「気持ちいいか？」 「っ……、よく、な……」 「なら、何でこうなってる？」 　不意に股間を膝でぐり、と刺激され、優真は悲鳴を上げた。おそるおそる視線を下に向ければ、そこは誤魔化しようもないほど膨らみきっている。　 （嘘だろ……） 　呆然とする優真に構わず、氷室は器用にベルトを外すと、下着ごとスラックスを引き下げた。完全に勃起したペニスが姿を現し、優真は羞恥で泣きたくなった。　 （何で、こんな……） 「濡れてるぞ」 　追い打ちをかけるように、氷室が先端をつつく。そして次の瞬間、信じられないことが起きた。氷室は、優真の脚を大きく広げると、その中心に顔を埋めたのである。一気に咥え込まれて、優真は瞠目した。 「やめっ……」 　もちろん口淫など、初めての経験だ。耐え難くなり、優真はぎゅっと瞳を閉じた。だが、それは逆効果だった。視界を閉ざした分、躰の中心を襲う淫らな感覚が、増幅したのだ。いやらしい水音も、より鋭敏に聞こえるようだ。 「あっ……、ああっ……」 　氷室の舌が、優真の昂りにねちっこく絡みついては、ポイントを刺激する。あっという間に、限界が近づいてきた。 「――あぁっ……」 　鈴口の割れ目を強く嬲られた瞬間、優真はあっけなく達していた。 「たくさん出たな。溜まってたか？」 　平然と口を拭いながら、氷室はそんなことを尋ねる。こらえきれず、涙がこぼれた。 （惨めすぎる……） 　裸に剥かれ、一方的に吐精させられるなんて。しかし氷室は、優真の脚をつかむと、容赦なく割り開いた。 「このくらいで泣いてもらっちゃ困るぜ」 　言い終わらないうちに、氷室の指が優真の蕾を探り当てる。優真は、躰がこわばるのを感じた。男同士のセックスでそこを使うのは、知識として知っている。とはいえ、実際にこの男のものを受け入れるなんて、現実味が湧かなかった。