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第3話

ランニングの後、先輩が風呂掃除をしてお湯を溜めてくれる。 今日は休みで、部活もテスト期間だからない。 お湯が溜まるまでの間に朝食の準備をしていると、掃除を終えた先輩がやって来てオレを背後から抱きしめてくれた。 「ほうれん草、切れないんすけど」 「ん、あぁ、ごめんね、エプロンして料理している姿、可愛くてすごく愛おしくて」 走って汗をかいた先輩はいつもに増していい匂いをさせていて、オレはその匂いで身体が熱くなって、どうしようもなくなっていく。 先輩とセックスする度、それがどんどんひどくなっていくような気がして、そんな自分が恥ずかしい。 けど、先輩はそんなオレにすごく悦んでくれるんだ。 「せ、せんぱいっ、やだ……ぁっ……」 「本当に嫌ならひっぱたいていいよ?」 その優しい低い声でオレの耳元で囁くと、先輩はオレの首筋にキスをする。 他の人に話すのと同じようで違う、甘い声。 オレにだけこんな風に囁いてくれるのが嬉しくて、優越感さえ感じてしまう。 「そんな……っ、オレがそんな事出来ないって分かってるくせに……っ……」 「俺にめちゃくちゃ甘いもんね、雅美くんは」 「う……んん……っ……」 その長く綺麗な指で顎を掴まれ少し上に持ち上げられると、先輩の唇で口を塞がれて舌を入れられた。 「んぁ……ぁ……っ」 「雅美くん、可愛い。すごく気持ち良さそうな顔してる……」 にっこり笑うその顔は、優しいのにどこか意地悪にも見えた。 オレがねだるのを待っている瞳。 「せ、せんぱい……」 「お風呂入った後まで待てる……?」 「ひぁっ!!」 その手がオレの腰から下に降りて、臀を撫でる。 「や……やめ……っ……」 口ではそう言うけど、オレはそんな事微塵も思っていなかった。 むしろもっともっと触られたくて、それ以上のコトもされたくてたまらなくなっていた。 「あぁ、ごめんね、雅美くん、俺がもう無理だった……」 『ご飯支度終わったらHしていいよね?』 その昂りを押し付けられながら一段と色っぽい声で言われて、オレは首を振る。 「い、今すぐして欲しい……っす……」 あぁ、恥ずかしいよりも先に愛されたいっていう気持ちが溢れて止められない。 「ん…いいよ、じゃあ向こうに行こうか……」 オレの言葉に、先輩はすごく、すごく嬉しそうに笑ってくれる。 何もかもそっちのけにして、オレは先輩と甘い時間を過ごしていた。

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