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第7話
あれは輝政先輩じゃなくて、先輩に取り憑いたアラサラウスっていう悪い妖怪がやった事だって分かってる。
だから早く、早くあの日の事を忘れたい。
「まぁちゃん、大丈夫よぉ。あなたにはあたしたちもいるし、何よりとっても頼もしい繋さまがいるんだから」
「…………」
ミナ先輩がそう言ってオレの頭を背伸びして撫でてくれる。
ミナ先輩も今は人間に変身しているけど本当は妖怪だから、オレの気持ちを知ってる上でこうしてくれたんだろう。
「……あら?そういえばチロンノップカムイはどうしたのかしら?あの子こそまーちゃんを助けなきゃいけないのにぃ……」
「あいつさぁ、あんまお前らの傍にいるイメージねぇよな。自由っーか何っーか……」
そんな話をして、オレはふたりと別れていた。
チロ先輩、もしかして学校内に恋人がいる……とか。
それで学校でもあまり繋先輩の傍にいないんじゃないか。
授業を受けながら、オレはそんな事を考えてしまっていた。
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