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「初めての夜は」※

  「動くぞ」 「……っ……っ」  今迄も動いてたじゃんか!  そう、言いたいけど、強すぎる快楽に、言葉も出せずにいるオレは。  腰を掴まれたと、思ったら。 「……ぅ、あ……っ、ぁあっ!!」  奥まで一気に突き入れられたのに。  感じたのは、快感だけ、だった。 「……っあ――――……あ、っ……ん……ん、ぅ……!!」  ぐちゅ、と、聞くに堪えない卑猥な音が響く。  突き上げられるたびに、快感が訪れて、オレ自身から精が溢れ落ちる。  何回も何回も、突かれるたびにイってるみたい。 「あっ……深い、の……くる、し……っ」 「……すぐ、慣れる」 「…んっ、……ふあ……あっ!」  腰を掴まれ、大きくかき混ぜられて、イってしまった。腹や胸に、白いものが迸る。  ルカは、それをべろりと舐め取って、そのまま、乳首にかじりついてきた。 「ひ、あっ……んんっ……」  噛まれてぴりっと痛みが走って――――……その後、舌で、ぐりと刺激される。 「……やっ……あっ……」 「もう少し奥まで、はいるぞ」 「……っ……も、奥……」 「――――……もっと」  脚を抱え上げられて。  体を折り曲げるようにされて。  その凶悪なルカので、上から、ずぶ、と貫かれる。 「ひ、う……ん、あっっ――――……」  奥だと思っていた所が、無理やり開かれて。ず、と塞がれた。 「はっ……あっ……っ……ンあぁっ……」  少し腰を引いたルカが、再度中を刺し貫いた。 「あっ……あ、う……うう、っん……」  中で、ぐりぐり、刺激されて。  頭の中、真っ白で。 「……っあ……あ、んっ……」  涙が溢れ落ちる。  こんなに奥まで、いっぱいにされて――――……。  ……っ気持ちいいなんて………。  …………も、絶対、薬のせい。  ……あのピンクの、薬のせい。  あと、この変態勇者が手慣れ過ぎてる、せい。  あと、きっと、夢だから、オレに都合よくて、痛くないようになってるだけ。  きっとそうだ。  じゃなきゃ、こんなに気持ちいいだけ、なんて、おかしすぎる……。 「……あ……っ……ふ……っん」  奥を繰り返し突き上げられて。  堪えることなんかまったくできずに、恥ずかしい位に、喘ぎ声をあげて。  あまりの気持ち良さに、勝手に、腰が揺れる。  ……何、してんだろう、オレ。  涙が溢れ落ちていくと。  ルカが、その涙を、べろと舐め取る。  欲情したルカの顔を見上げると、ゾク、と体の奥が、疼く。 「――――……やっぱ、泣き顔、イイな、お前……」  濡れたみたいな瞳にまっすぐ見つめられて。 「もっと泣かせたくなる」 「――――……っ」  意地悪……っっ  ……変態……っっ サド……っっ    頭の中に、罵倒する単語が浮かぶけど。  また激しく唇が重なってきて、何も言葉にはできない。 「ん……ン、んっ………んんぅっ…」  キスされながら、激しく突き上げられて、またイった。もう何度目かも、分かんない。  聞くに堪えない湿った音と、信じられない位、甘えたみたいに漏れるオレの、喘ぎ声と。  ルカの、熱い息遣い。それからたまに、やらしいこと囁かれて。肌と肌がぶつかる、音。  もう耳からも、犯されてく気がして。     もう、出ない、と、泣いてしまったくらい、何度もイかされて。  中に何度も出されて。  信じられない位、長い間、抱かれ続けて。  最後、いつ、意識が無くなったのか、分からなかった。  ルカとの初めての、夜は。  ただ、激しくて、長くて。  ルカとの行為の快楽を、全部、体に叩き込まれたみたいな。  そんな、時間だった。

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