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「瞳」※
「瞳――――……」
「ん?」
キスしようと近付いていたルカが、目の前でぴた、と止まった。
「ルカの瞳って……黒かと思ったら、青いんだね」
じっと見つめながら、そう言ったら。
ふ、とルカが笑う。
「――――……それでさっき見てたのか?」
「うん。すごく、キレイ。明るい所で近くで見ると、良く見えるね」
真上にある瞳を、じっと見つめる。
「お前の瞳は、黒と茶色だよな。……それもキレイだけど」
「オレのは普通だよ……他の皆も青いの?」
「ゴウは青いけど、リアは赤みがかってて。キースは緑――――……皆少し色が入ってるけど、近くで覗かねえと、あんま気づかない」
「そうなんだ」
「――――……覗くなよ」
「?」
何を言われたのか数秒分からなくて固まる。
あ、近づくなって、事??
オレは完全に苦笑いで。
ん、と頷いた。でも、頷いたけど、一言言っておきたくて。
「……オレは、そんなモテないからね? それに……」
「――――……それに?」
ルカの手が、オレの頬に触れる。
「……オレ、ルカのになるって言ったじゃん。今日の2回とも……オレ、OKしてないし……」
「してなくても――――……」
真上にあるルカの唇に、そっとキスした。
「気を付ける、から…… でも、そんな怒んないでよ……」
「――――……」
「たまに怖いし。ルカ……」
眉を顰めながらそう言うと。 ルカはニヤ、と笑った。
そのまま、ゆっくり唇が降りてきて。深く、重なる。
――――……何で笑うんだろ、怖いって、言ってんのに……。
「……んっ……ん、ぅ……」
舌が、めちゃくちゃ激しく、口内を動く。上顎なめられて、声が漏れる。
「……っん……」
――――……苦し……。
何でルカのキスって、こんなに――――……食べられちゃいそうな……。
「ん、ん……」
少し顔を動かして、外そうとしたのだけれど。
「ダメ」
そう言われて。枕に埋まってたオレの後頭部、でっかい手が包んで。
ぐい、とルカにより密着させられる。
「……んん、う、――――……っ」
どっちの舌なのか、分かんなくなる位絡められて。
「……っん、……っふ……」
頭、白くなる。キスだけなのに、なんかもう、気持ち、良くて。
「……るか……」
……何で、こんな、気持ちいいのかな。
――――……ルカのキス。激しすぎ、だけど……。
キスもだし。
――――……全部、なんで、オレ、こんなにすんなり受け入れちゃってるんだろう。
「……息、ちゃんと吸えよ」
少しだけ唇を離して――――……ルカが、くす、と笑う。
「っ…… むり、だよ、こんなの――――……」
瞳を開けたら、涙で潤みまくって事に気付く。
あ。ヤば。
涙フェチなんだった、ルカ……。
「――――……」
ルカが、じいっと、オレを見つめる。
「……お前、どーやって、女にキスしてたの?」
「え?」
あ、今は、涙には反応しないのか。
…………で、何その質問。
「オレのキスに泣いちまうもんな? 女とどーやって、してたんだよ」
「……っ」
激しすぎるからだよっ!!
キスで、犯されてるみたいなっ!!
こんなキスと比べないでよ!!
「……っルカ、いっつも、こんなキスしてるの?」
「ん? ……あー……」
「女の子にこれしたら、嫌がられない?」
「――――……」
……何で返事しないんだ。
「……なあ」
全然返事してくれないで、唇が触れそうな位近くで見つめられたまま。
そう言われて、ん?と、まっすぐ、見つめ返していると。
「オレにキスして? 女にキスしてたみたいに」
――――……何言ってんだ。
ほんとに。
ため息を、つきそうな気分で、ルカを見つめる。
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