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「夜中に、ふと」1

     不意に、目が覚めた。   まだ暗い。  ベッドのサイドテーブルにある小さいランプが光っている。  まだ、日本には――――……いつもの現実には、戻ってない。  オレを抱き締めて眠ってる、ルカが、目の前に居る。  何度も中で出されたけど、全然気持ち悪くないし。体もサラサラしてて、心地よいから、きっとまた、キレイにしてくれたんだなと分かる。  なんか オレ。  ……めちゃくちゃ絆されていないだろうか。  ……可愛いとか、言われて、めちゃくちゃキスされて。  ――――……なんでか、オレで反応する、ルカに、何度もめちゃくちゃ抱かれて。  …………ルカのキスが好きだとか。言ってしまった。  抱かれるの、気持ち良いとも。中に出されるのも、気持ちいいなんて。言った気がする。  ……オレってば、ほんとに、何言ってるんだろう。  変な薬で犯されそうになって。意味も分からず、ルカのものになるなんて言って。  ……ルカは薬使うのは嫌がってた気がするけど。無くてもその気にさせるとか言ってたけど……。  ……とにかくもう、どうせ抱かれるのなら、現実に戻れるまで守ってもらう、なんて、そんな事を思って、「我慢」するもりだったのに。  変な独占欲が、なんか、ちょっと可愛く見えたり。  チョコの実、剥いてくれるでっかい手が、なんか。やっぱり可愛かったり。  ……抱き方も――――……なんか……すごく大事にされてる気が、してしまうし。  ――――……何なんだ。もう。  向かい合わせで抱き締められてて、肩にルカの手が乗ってる。  男に、こんな風に抱き締められて眠るとか。  ありえないと、今も思うのだけれど。  なんか、別に、嫌じゃないと思ってる自分も居る。  ――――……あれ? おかしいよな、これ。  冷静に考えて……男に組み敷かれるのも。無理やり突っ込まれるのとか。  なすすべも無く、揺さぶられて。中で出されちゃう、とか。  向こうに居た時の自分だったら、考えられない。  ……やっぱり、夢だと、思ってるから?  知らず、許容範囲が、めちゃくちゃ広いんだろうか。  ルカに会ってから、まだ、2日。  夜を過ごして、たった2日。   今まで、結構長くつきあった子達の記憶が、消え失せる位、なんか強烈すぎて。      なんかもう、色々強烈だからかなのかな??  顔も体もなんか、圧倒的に強烈だし。  態度も、言う事もする事も、抱き方も。  ――――……なんて言うか。  ……とにかく、まっすぐすぎて。  こっちが、迷う余地とか、全然無くて。  つーかさ。ルカさ。  ……ぐいぐい、来すぎ、なんだよ……。    この状態に、今よりももっと慣れてしまう前に、戻った方が良い気がするんだけど。  ――――……あ、でも。  ……料理はしてからが、良いかも……。  なんかこの、茶色のご飯の世界に、色どりという革命を起こしたい……。  ちょっと、ワクワクしてしまう。  ――――……きっと、ルカ、喜んでくれそうな気がする。  うまそう、とかきっと、すごく笑って。    ……………………。  ……………ん?  んん…………??  ………………ルカが、喜んでくれそう?    何だ? 今の。  目の前の、整った顔を、マジマジ見つめてしまいながら、  自分の思考が謎すぎて、固まるしかない。

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