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「モテる」

    「手分けして探すしかねーかな?」  ゴウの言葉に、ルカがため息。 「そーだな……とりあえず、町はずれの建物とか、海の方とか。あの音が聞こえなそうな所から探すか。適当なとこで、レストランで落ち合おうぜ」  ルカの言葉に皆頷き、何となくそれぞれ散らばっていく。  なんか。いつも思うけど、アバウトだよなー、散らばり方。  それで何とかなるのが、なんか良い。何分で集合、とかしないんだもんなー。 「オレらも行くぞ、ソラ」 「うん」  ルカの隣に並んで歩き始める。 「つーか、ずっと泊り歩くってよー」 「……ゴウがルカみたいって、言ってたけど」  笑いながら突っ込むと。「ちげーっつったろ」とムッとされる。 「モテる人なんだろうねー」  ていうか、モテすぎ?かな? 「ルカも超モテるって、皆が言うし。どっちの方がモテるのかな。ルカはそんなにモテるの??」 「……まあな。つか、モテそうだろ? オレ」  ふ、と笑って、偉そうに言うルカ。 「うん。まあ。モテるだろうけど?」 「は。認めるんだな」 「……まあ。モテる要素が多いだろうなーと」  逆に、モテない要素って、なんだろう。  ……Sっぽいとこが嫌がられる?   でもそういうのが好きな子も居るだろうしな。  あ。  思いついた。 「あ。いっこあった」 「ん?」 「女の子に嫌われそうなとこ」 「何だよ?」  ちょっとムッとして、ルカがオレを見下ろす。 「ルカがする、めちゃくちゃ、きっついキス」 「――――……」 「あれしたら、嫌われるでしょ?」 「――――……」  そういえば、こんな話した時、ルカ、返事しなかったっけ。  嫌われた過去でもあるのかなあ。ぷぷ。 「ねえ、ミウ? そう思うよねー?」  腕の中のミウに話しかけて、スリスリしていると。  ぐい、と腕を引かれた。 「――――……生憎、オレ、あれは女にはしねえから。嫌われねえよ」 「え。そうなの?」  びっくりして、ルカを見つめる。  ありゃ。  じゃあ嫌われる要素が……。 「じゃあ、あと、しつこいとこ」 「しつこい?」 「何回も続けてしたりさ。やり方が、きっついとこ」  あれはさすがに嫌われると思うんだよね。  うん。  そう言うと。  ルカは、ぷ、と笑って、オレの腰を抱き寄せた。  むぎゅ、とミウが、ルカとの間でつぶれる。 「ちょちょ、ミウつぶさないで」  よしよし、とモフモフを整えてあげていると。  ムッとしたルカに、顎を掴まれて、引き寄せられた。 「え――――…… っん……?」  何で、キス……??? 「っ……んっ……ぅっ……」  しかも。奥まで舌、入れられるみたいな、めちゃくちゃ深い、キス。 「……ぅ、ンんっ……っは……」  不意に、外されて。  くしゃ、と。髪を撫でられる。 「だ……からっ……これのこと言ってんだってばっ」 「だから、お前にしかしねえって」 「――――……っ???」 「ミウのことばっか構ってんなって、言ってんだろ」  なんか、睨まれて、そんな事言われる。  ………………????  何の話してたんだったかすら、よく分からなくなってくる。  オレにしか、しないの?  きついから?  女の子には優しくしてるってこと?  むー。  なんか、むかつくな。  ていうか、ミウにばっか構うなって、何なんだよっ。  こんなに可愛いんだから、構うに決まってるし。    ミウをモフモフ撫でても、ちょっと今回はムカつきが取れない。  ひそかにぷんぷんしながら、ルカの後ろを歩く。

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