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「声」※

 何か。  呼吸が、早くて、辛い。  息が、出来なくなりそう。  辛い中で。 「……ソラ――――……」  優しい声が、頭の中に、響く。    その声に、少し、ほっとする。 「……ん……ぅ……っ……」  ……熱い。  …………疼く。   「……っぁ……」  前に触られて、同時に、中の感じる所を刺激されて、びくん、と体が震える。 「……ソラ」 「……はぁ……ン……」 「――――……ソラ……?」 「……ン…………?」  ――――……ふっと、急に、意識が戻った。  体が、浮いてるみたい。  腰から下が、何だか、どろどろに溶けてそうな位だるすぎて。  でも、なんだか、すごく、きもち、い――――……。  初めて見る部屋の感じに、天井を見上げていると。 「――――……目ぇ覚めたか? ソラ」 「……る、か……?」  聞き慣れた声。  ルカの方を見ようとした瞬間。 「――――……ひぁ……っ……」  深く突き上げながら、ルカが、体を上に、上げてきた。 「……やあ……っ……なんで、いきな、り――――……」 「――――……馬鹿ソラ。いきなりじゃねえよ」 「……っ?」  ルカが、オレの頭の横に、手をついた。 「ソラ」  まっすぐ見下ろされて、ふ、と笑まれる。 「――――……正気に戻ったか? オレが分かる?」 「……うん。 ルカ……」  突き上げられた感覚に震えながら、名を呼ぶと。  中、熱いのに貫かれたままで。  ――――……でも、そんな状況なのに。ルカは、めちゃくちゃほっとしたように、微笑んだ。 「――――……簡単に言うと……あの花は魔物の一種みたいで」 「……花?」  ……何だっけ。 「覚えてねえの? 花の中に取り込まれたの」 「――――……あ、おぼ、えてる……」  ぱっくりと、食べられちゃったんだ……。 「――――……あの後宿屋ついてから聞いたら、生き物を取り込んで、惑わす魔物だったらしくてな。昔もこのあたりに出た事があったらしい」 「…………惑わす……?」 「蜜が媚薬みたいになってるらしくて。 側に居るだけでも、オレらが戦ってた魔物みたく、どっか正気じゃないみたいになるのに、お前、完全に取り込まれて、吸い込みまくって、蜜まみれになっただろ……」 「――――……」  うん、なった。思い出した。べとべとで、頭ん中、ドロドロで。  ――――……すごく、気持ち悪かった。 「キースに清めてもらっても、中の感覚まではダメで、結局、抱くしかないって事になったんだ」 「――――……」 「大変だったんだぞ、意識ねえのに、お前、皆の前で、助けて、ルカ、早く、てすげえ煽るし」 「――――……っ??」  え。そんな馬鹿な。  …………嘘だと言ってほしい。  うう。 「町に戻って、そのまま宿屋に入って、もう結構長い時間、ずーっとお前の相手してたけど……覚えてねえんだろ?」 「――――……」  ほとんど、覚えて、ない。  でもなんか――――……。  ルカが、オレを呼んでくれてる声だけ、  ずっとしてた、ような――――……。  中に入ってるルカのが、ゆっくりと、動いて。  ぶる、と体が震える。 「――――……もうお前、数えてない位出してるけど、平気か?」 「…………っ」 「どんな感じだ? 下半身。辛い?」  道理で、もう、下半身、ドロドロに疲れてて。  体、感じたことがない位、だるすぎて。  なのに、なんか――――……気持ちいいっていう感覚だけ、ものすごく、強い。

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