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「探してほしい」

 ルカの……これは、ヤキモチって言うのかな。  とにかく、よく分からない。  今、居ないじゃん。その対象は、ここに。  誰かも分かんないのに、居ないのに、ヤキモチって。 「……その、2つなら――――……オレ、今誰かと居たいとかは全然思ってないよ。そもそも、誰か1人を思って言ってた訳じゃないし」 「――――……つまり? 何?」  あ。少し、声が、緩んだ。 「つまり……ルカとずっと居たい……??」  ……って思ってた訳じゃないんだけど。  こっちの答えで合ってるのか、疑問形になってしまう。 「居たい?? とか聞くな。ちゃんと言えよ」  ルカの指がオレの頬に触れる。 「……ルカみたいにしてくれる人と……一緒に居たいって、思う人は多いんだろうなって思うよ?」 「――――……違うっつーの。ほんとに馬鹿だな、ソラ。オレが今それを聞きたいと思うか?」  呆れたようにルカが呟いて。  ゆっくり、近づいてきた唇に、キスされる。 「……お前は? オレとずっと居たい?」 「――――……」 「……誰かとかじゃなくて、お前の話をしろよ」     ――――……キスしないって、言ってたのに。  何度か、重ねるだけのキスをしながら、オレを見つめる。 「……分かんないよ、ルカ」 「――――……」 「……いつまで居れるかも分かんないし……」 「――――……」 「ずっと居たいなんて、簡単に言えないんだけど……」  思ったままに言うと。  ルカは少し黙ってから。オレを抱き締めた。 「……簡単じゃないの分かってても、言えよ」 「――――……ルカの側には…………ちょっとは居たいよ」 「……ちょっとって。お前、ほんと……」  ルカ、苦笑しながら、ちょっとため息をついた。  それから、触れるだけのキスをして。  ――――……ルカは、オレを見つめて、ふ、と笑った。   「お前がオレと居たいなら」 「――――……」 「お前がいなくなっても、絶対探してやるから……」 「――――……」  出来るのかな、そんなこと。  ……どこからどう来たかも分かんないのに。  夢だったら……絶対無理だろうしさ。  そう思うんだけれど。 「――――……ん……」  なんだかルカなら、探してくれそうな気がする。なんて思ったら。  自分がどれだけルカを頼ってるんだろうと。信じてるんだろうと、不思議で。  思わず、ふ、と笑ってしまった。  「――――……じゃあ、居なくなったら……探して?」 「おう。――――……任せとけ」 「うん。……任せる」  クスクス笑ってしまうと。ルカが、もう一度キスしてから。  オレを起こした。 「そろそろ行くか?」 「――――……」  離れようとしたルカの胸の辺りの服を摘まんで、ちょっと引いた。  近づいたルカの唇に、少し下から、キスをした。 「――――……もすこし……」 「……いーけど。出れなくなるぞ」 「……それはやだけど。だからキスだけ」 「――――……わがまま、ソラ」  クスクス笑うルカに、深くキスされる。  キスされながら。  溶けていきそうな頭で、さっき自分が言った言葉が、浮かぶ。  ――――……探してほしいのかあ、オレ。  ルカに……。  何にも考えず。  ……自然と頷いてしまった。

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