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「好き?」

 宴はお開きになって、普通のテーブル席に移動した。  ルカ、リア、キース、ゴウと、アランとジェイで飲み直し。  ……ていうか、どんだけ飲むんだろうこの人達。  リアもなんだかんだ、結構飲んでるけど、そんなに酔わないし。 「つーかルカ、何でそんな強ぇの?」  アランがちょっと酔っ払った感じ。  まあ……見てるだけでもかなり飲んでた。  一時ちょっと声が大きかったかな位で、あとは平気そうなルカの方が変。 「何でって言われてもな」  ルカが苦笑いでそんな風に言ってる。 「あ、そーだ、ジェイ、あの酒出せよー」 「――――……ああ、あれか……いーけど」  飲んでたグラスを置いて、ジェイが立ち上がって、何かを取りに行った。  それを何となく目で追ってると、ぽんと、ルカに頭を撫でられた。 「ソラは、あんま飲むなよ」 「……ルカにだけは言われたくないけど」  ぷ、と笑って言い返すと。  まわりで皆が、ほんとだよねと笑う。 「オレ酔わねえし。 酔われてソラに寝られたくないから言ってンだけど」 「おんぶしたくないから?」 「……ちげーし」 「違うの??」 「ソラに色々したいから、寝られると困る」 「――――……っ」  意味が通じた瞬間、真っ赤になるけど。  ――――……だって、皆居るし。ほんと何言ってんの……。  何も言えずにいると、周りの皆が、揃ってこっちを見るから、余計に熱くなる。 「そういう反応するから、ルカが遊ぶんだぞ」  ゴウがそんな事を言う。 「あっは、かーわいいなあソラ」  リアはまたそんな事を言って、笑う。  あとは皆、笑ってたり、とにかく好きな事言ってるけど。  ていうか、オレの反応が悪いんじゃなくて、絶対、ルカがいけない。  隣に居るルカを、むー、と睨んでると。 「……ん? キスしてほしいか?」 「え。ち、が――――……」  ぐい、と抱き寄せられて、ルカの顔の真下に引き込まれる。  ふ、と瞳が緩む。 「……るか??」 「ソラ嫌がるから、こっち見んな」  皆にそんな事を言ってから。 「……や――――……」  唇が触れる。舌、まだ、熱いし。  やっぱり酔ってる、ルカ。 「……っ」  短いキスで離される。 「…………っ」 「……怒んなよ」  クックッと笑いながら、ルカがオレの頭をぐりぐり撫でる。   「お待たせ」  ジェイが、酒瓶を持って現れて、ルカとアランの前に置いた。 「……ソラどした? 真っ赤。急に酔った?」  ジェイの言葉に、周りの皆がぷ、と笑う。  っっっ男同士、なんだし!  ていうか、男女だって、こんな、人前でキスしたりしないし。  ……するルカも、周りの皆も、何で平気なんだ。 「……酔ってない」  不思議そうなジェイにそう答えると。  隣でアランがクスクス笑った。 「ルカが悪戯したから、こんなんなってんの」 「悪戯?」 「キスされただけなんだけどなー、ソラ」  ……っだけじゃないし! 「皆の前で」「キス」だし! 「ああ。――――……ルカ王子、マジで好きなの、ソラのこと」 「――――……」  ジェイが真顔でルカに聞く。  ……何言ってんだ、ジェイ。  でも、ちょっとルカの答えが気になって。  隣のルカを見つめると。  ルカは、オレをじっと見つめ返して。 「好きじゃなきゃ、キスなんかしねーし」 「別に好きじゃなくても、出来るだろ、キス位。キスつーか、その先も、別に好きじゃなくても出来るよなあ?」  アランがけろっとして言う。  ……クズ発言だな。  呆れていると。 「まあ、出来るけどな」  ルカが、はっと笑って、そう答える。  ……やっぱりクズ発言だな。  思った瞬間。ぷに、と頬を摘ままれる。 「抱けるけど――――……好きじゃねえなら、そういう事してねえ時にまで触んねえな」  そんな、よく分からない事を言いながら、ルカはオレの頬を摘まんで、そのまますりすりと、頬を撫でる。 「なー、ソラ?」  クスクス笑いながら、ルカはオレの頭までクシャクシャ撫でながら、引き寄せる。 「――――……なーじゃないよ……」  もう。  やっと離してもらって、ルカから離れると、逆隣のリアがオレを覗き込む。 「あーあ、大丈夫? ソラ」 「……じゃない」  プルプル首を振ると、クスクス笑いながら、リアが髪を整えてくれる。  結局、よく分かんないこと言って終わったし。  何なんだ、もう。  

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