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「コンテスト1位」

「やっ……」  服の下で、ルカの指が乳首を掠める。 「――――……ん、ん」  びく、と強張った唇に、キスが――――……っ。  無理無理無理無理、絶対にジェイとアランと他の人達が、  もうすぐ、絶対に来るんだってばー!!  顔を背けて、唇を離して。 「ルカ、ここじゃ、やだ……っ」  必死で止めると。  ルカは、ぴた、と動きを止めて。  すごく嫌そうに、オレの服の下から、手を抜いた。 「嫌なら何で誘うんだよ」  さささささささ……っ!??  さ、誘って、ないし……!!  うわーん!! 馬鹿ー!  オレの、思いのこもってたキスを、  すぐそっちに結び付けるとか!! 今のキス、返せー! 「――――……っん……」  狼狽えてるオレの後頭部を押さえつけてきて。  全然、逃げられない状態で、深い深い、キス。  舌、熱くて、溶けそうになって。  しばらくして、離された。 「……っふ……」  声が漏れると。  ルカが、ふ、と瞳を緩ませて、かぷ、と首筋に噛みついた。 「――――……っ」 「今はやめてやるから――――……後でな?……」  そのまま、ぺろ、と首筋に舌、這わされて、びく、と震える。 「……っ……」  こういう時の視線は、ほんと。どーしてそんなにっていう位、雄っぽくて。  色っぽくなる。  なんなの、ルカ。  ――――……オレが、どんだけ経験積んでも、絶対、こんな風にはならないだろうなあ。と、思ってしまう。  ほんと。フェロモンって、こういうののことなのかなあ。  フェロモンコンテストとかあったら、ダントツ1位なんじゃないかなあ。  ……って、何だそれ、どんなコンテストだ。  誰が勝敗を判断するんだ。  ………と、とりとめもない事を考えながら、目の前のルカの瞳を見上げていると。  瞳の中の青が、すごく、きらめいて見えるし。  ずるい、こんなエロいくせに、瞳だけ、そんなキレイとか。  コンテスト、ダントツ1位のくせに……。  と、自分でもほんとに何考えてるんだか分からなくなってきた、そこへ。  アランやジェイが他の3人を連れながらドカドカ入ってきて、「またイチャついてるし」と騒がしくなって、やっとその瞳から、逃れる事が出来た。  ていうか、イチャついてるって、今のこんなの比べ物にならないような事、直前までされてたけどね……。  密かにため息をついていると。 「ソラ、カップ出して、お茶入れようぜ。お菓子も並べよ」 「うん」  ジェイに呼ばれて、ルカの隣から立ち上がる。  カップをジェイの前に並べて、オレは大きなお皿にクッキーとマドレーヌを置いていく。  ジェイはお茶を注いでいって、席についてる皆に配っていく。   「なんか、昨夜も思ったけど、すげー可愛い食いもんだよなー」  アランがオレが並べてくのを見ながら、クスクス笑う。 「なんかソラみたい、可愛い感じ」 「……は? オレに似せたのは1個もないんだけど」 「……そういう意味じゃねえよ」  クスクス笑うアラン。 「あ、ミウはあるよ。これこれ。 可愛いでしょ」  浮いてるミウを見ながら言うと、アランと来た3人も、似てる似てると笑う。  皆に褒められて盛り上がってると。 「ソラ、こっち座れよ」 「あ、うん」  ルカに呼ばれて、隣に座る。座った瞬間。  目の前に座ってるアランが、「ルカってほんとにさあ……」とクスクス笑って、「うるさい」と、ルカに遮られてる。 「……なに?」  オレがアランに視線を向けると。 「いやー…… ヤキモチやきの恋人って、大変じゃない?」  ん? まさかそれは、ルカのこと?  なんかルカ、じろ、とアランを見てるし。  ……ま、いいや。  スルーだ。こういう微妙なのは、スルーするのが一番だと、気づいてきた。 「ミウ、おいでー」  ミウがオレの膝に乗っかる。  ふわふわ。可愛い。 「ミウには、ミウのクッキーあげるね」  分かってるのかいないのか、とにかく可愛く笑ってるから良しとする。 「いただきまーす」 「おー、うまいじゃん、これ」 「何このクマ。作んの大変じゃねえの?」 「そうでもないよ。ね、ジェイ」 「そーだな、丸めてくっつけて焼くだけだし」 「このふわふわのも美味い」 「マドレーヌっていうお菓子だよ」 「へー」  強そうな男の人達ばっかりで、可愛いお菓子とお茶で、ティータイム。  ちょっと笑える。  お菓子の評判は良いみたい。  何か、若干、なんでこんな可愛くすんの、的な空気はあるけど。  まあ。ここの皆さんには、ちょっと似合わないと言ったら似合わない。  ルカは、面白そうな顔して、色んな種類食べてるけど。 「美味しい? ルカ、マドレーヌ、どう?」 「ん、美味い」 「そっか」  ふふ、と笑ってると。 「良かったなー、ソラ。 ルカ美味しいって言うかなって気にしてたもんなあ?」  ジェイがそんな事を言ってくる。 「……っ」  ジェイ、そういうのは言わなくていいんだけど……。  熱くなりながら、む、とジェイを見つめると。  ジェイはぷ、と笑ってる。 「ふーん……」  ルカが、ニヤニヤしてるし。 「……別に。意味ないから。美味しいかなって、思っただけだから」  ぶつぶつ言うと。 「ふーん」  ルカ、可笑しそうに笑いながら、でっかい手で、オレの頭をヨシヨシしてくる。 「すげー美味いから」 「――――……」  すぐ近くで、ふ、と笑まれて。  う……。  どき、と、弾む。  この、目力強すぎる、ド迫力のイケメンは。  ……そーいう顔して、笑わないでほしいんだけど。  …………くそー。  もーオレ、自分のこの反応が、全然意味が分からないし。はー。  ひそかにため息きつつ、男だけのティータイム光景を見てると。  ――――……うーん。ちょっと笑える。  可愛いお菓子たちと、ミスマッチすぎて。 (2022/5/9) 昨日ブログ更新してます♡

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