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「フェロモン?」※

「……は、ぁ――――……んン…」 「ソラ。来いよ……」 「――――……?」  オレは不意に背中を抱き上げられて。  意識朦朧で起こされたと思ったら、座った所で、また奥に入れられて。 「あっ……」  反る背を支えられて、後頭部を掴まれて、引き寄せられてキスされる。  そのまま、少し下のルカに、腕を回して、ぎゅ、としがみつく。 「……ルカ……ちょ、と――――……待って……」 「――――……ん」  ふ、と笑った気配がして、後頭部にルカの手が回ってきて。  よしよしするみたいに撫でられる。 「……っ……こわいよ、もう……」 「……ん?」 「――――……頭変になる……こんなの……」 「……」  ルカは黙って、よしよししてくれてる。 「……気持ち良すぎて、無理……」 「――――……」  少し間があって、ルカがぷ、と笑った。 「それは無理って言わねえだろ」 「……無理だし……きつい、し……」  ルカの肩に、はー、ともたれる。 「――――……っ……」  ぐ、と緩く動かれて、体に力が入る。 「……なんで、そんな、はげしーの……」 「――――……何でって」  耳元で笑われて。  そっちに気を取られてる間に、中、奥まで、入れられて。 「……っ……ふ……っ」  腰、めちゃくちゃビクビクする。 「――――……分かんねえの?」 「…………」  言われて、ルカの肩から顔を上げて、ルカを少しだけ見下ろすと。 「……泣いてるの、すげえ可愛いから」  ルカの親指が、オレの目を拭った。  滲んでた涙が消えて、ルカの顔がちゃんと見える。  なんかもう本当に。  ――――……こんな男っぽい人。……他に居るかなあ。  こういうフェロモンぽいのって。  普通男のは、女に効くものだと思うんだけど。     「気持ち良いって、泣かせたいし」 「――――……」 「オレにしか反応なくなるようにしたい」  下から、顎に舌を這わされて。 「や……」  ぞくん、として引こうとしたけど、押さえられて、そのまま首筋に舌が這う。 「……んっ……ン、ぁ――――……っ」  悔しいけど。オレ女の子じゃないのに。  ……ルカのフェロモンは、何でだか、オレに効くみたい。    ……っもう、ルカじゃないとダメみたいに、今、なってるし。  ――――……っ……この先ほんとに、ルカ、ずっと居てくれなかったら、ほんとどうしようかなって、思う位だし。  ひたすら構ってくるルカのいろんなとこが好きなのか。  体が先なのか。  なんかもう、よく分かんないけど。  ……側に居たいなって思ってるし。  …………されるのも、嫌じゃないし。  ――――……ていうか、これで今ルカがオレに触らなくなったら困る。し。  どうしよ。この抱かれてる記憶があるまま、ルカの居ない所に、飛ばされたら。  日本に。戻ったりしたら。  怖くなる位。    もう。ほんと困るし。 「……ソラ、激しいの、嫌なのか?」 「――――……」  ……気持ち良すぎておかしくなりそうで、もー無理。  ――――……っていうのは、嫌って事になるのかな。  これ言ったら、ルカに余計にめちゃくちゃされそうな気が。 「……前さ」 「ん?」 「……ルカ、優しくしてくれるって言ったじゃん」 「――――…………あー。言ったな。お前の好きなように抱いてやるって言ったやつ?」 「次する時はって言ったのにさ」 「……なんか色々あったろ、その後。まー、完全に忘れてた」  クスクス笑うルカ。 「じゃあ、今から優しくししてやろうか?」 「――――……いいの?」 「いーよ。別にオレ、激しく抱くのだけが好きなわけじゃねーし」 「いっつも激しいじゃんか……」 「ソラが気持ち良さそうだからだろ」 「……っ」  ルカはクスクス笑って。赤くなったオレの頬に、優しく口づけた。    それから。  やたら優しくて。……いつも以上に、しつこくて。  激しくしないからなかなか終わらないんだけど、気持ちいいのだけは続くし。  優しくしてとか、もう絶対に言わない、なんて思う位。  乱された。気が。する。  ――――……はあ。  

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