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「やる事」

「魔王が現れた時に、同じような光があった、って話があるらしい」  ルカがそう言うと、3人は、え、と固まる。 「ソラ、魔王と接点があるってこと?」  リアが首を傾げてる。 「オレ、接点なんか、無いと思うんだけど……」  ゲームで倒そうとしてたっていう……それって接点って言うのかなあ? 「魔王は、あの時、ソラの事を知らないって言ってたしね」  キースのセリフに、皆、ん?と顔を見合わせた。 「そんな事言ってたか?」  ルカがそう聞くと。  キースが、忘れたのか、と笑う。 「ルカが聞いたんだろ、ソラの事を、魔王の助っ人か?って。魔王は、そんな者は知らないって言ってたよ」  キースのセリフを聞いて。  ああ、そういえば、そんな事も言ってたなあ、と皆、曖昧に頷く。 「――――……王子、色々正確に話してくれませんか」 「ああ……そういやそんな事も、言ってたかも。悪い」  レジーの言葉に、ルカは苦笑い。 「魔王は他に何か言ってませんでしたか?」 「言ってないと思う……よね?」  キースの言葉に、皆も、うん、と頷いた。 「分かりました。じゃあ何か思い出したら言って下さい」 「分かった」  ルカが頷いて、ん、と背伸びをしてる。 「……ここ来ると、疲れるのは何でだ?」  ――――……図書館が苦手だからじゃないだろうか。  ぷ、と笑ってしまいそうになる。皆もきっとそう思ったんだろう、それぞれ面白そうな顔をしていたけど、何かを言う前に、ルカが続けた。 「あ、レジー。シャオの町から、海にいる何かを倒しに行くつもりなんだけど、何か情報入ってるか?」 「波が高くて船が出せないという噂だけですね」 「ああ。――――……何かは分かんねえか、やっぱり」 「海、ですからね……」 「まあ……出られなくなってから誰も見てねえだろうしな」  ルカがふ、と息をついて。 「どっちにしても行くから、そっちはいい。ソラの方が知りたかったけど」  そう言ってから。 「――――……まあでも、その光って事しか情報がねえなら、どっちにしても、早く魔王の居場所突き止めて、そっち行くしかねえか」  そう言い切るルカ。 「てことで、魔王の情報を集めるのが最優先で頼む」 「分かりました」  レジーが頷く。 「どっちにしてもって、魔王に光のこと、聞くつもりなの?」  リアが笑ってる。 「まあとりあえず聞きたいよな。答えるかは知らねえけど」 「答えるかなあ?」  苦笑いのリアに、ゴウとキースも同じ感じ。 「……まあ、何にしても、やる事は決まったな。今まで通りだ。強い魔物が居るならその情報をこっちに送ってもらう、それを倒してる内に魔王の場所がおのずと分かるだろうから、魔王を倒しに行く――――……で、光の事も、聞く」  以上、だな。と、ルカが言い切って、皆に視線を向ける。 「最後が出来るか微妙だけど――――……了解」  キースが笑う。 「まあ、色々動いてる間に、ソラの関連も何か情報が入ればいいし」 「他にも、他の世界から来た人が居ればいいのよね」 「ソラ来てから結構経ったし。魔王もそうだとすんなら、かなり長いことこっちに居るし。そう簡単に、居なくならないんじゃねえの?」  キースとリアとゴウ。  それぞれの言う事を聞きながら、ルカはふ、と笑って、オレを見た。 「まあ、動きながら、色々考えようぜ。少しでも繋がりそうなら調べる。って事で、よろしくな、レジー」  最後にレジーを見つめてルカが言うと。  レジーは、頷いた。 「――――……で。オレ、今からソラに城案内するから、出るけどいいよな?」 「はい――――……あ、夕食は、また大騒ぎですか?」  「また大騒ぎ」??  オレが首を傾げていると。レジーがオレに、ふ、と笑んだ。 「このメンバーが、長く出る時や、帰ってきた時、よく町の人達と、祭りみたいに騒ぐので」  ああ。なるほど。  ――――……またか? 好きだなあ、こっちの人達。「大騒ぎ」の宴。 「ああ、そうする。久しぶりだしな」 「用意させます」 「じゃあ、後でな」  ルカが皆にそう言うと。  オレを振り返った。 「よし、ソラ、行こうぜ」  楽しそうに言うルカに、手首を掴まれて、ぐい、と引かれる。 「一番見晴らしいいとこから連れてってやるよ」  何だか見惚れる位鮮やかに笑って、ルカがオレを見て、瞳を緩める。 「うん」  何だかすごく――――…… 嬉しくなって。  ひかれるまま、ルカについて歩いた。

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