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「心を読むとか?」
「ルカ」
振り返ると、楽しそうなルカの笑顔。
「ルカ、酔ってる?」
「んー、結構飲まされてるけどな。酔ってはない」
ルカが隣に座ると、キースが立ち上がった。
「オレも、もう一度向こう行ってくる」
「うん」
キースが、ふ、と笑んで言うので、頷いて、その後ろ姿を見送りながら。
「ルカはいいの、皆のとこ居なくて」
「ソラを補給」
肩を抱かれたまま。超至近距離でルカが笑う。
「補給……」
なかなか、言われないよな。男は。
って、オレ、女の子にも言った事ないけどね。
ソラを補給、とか。補給って何……。
悩んでると、視線に気づいて、ふとルカを見上げると。
なんかすごーく、楽しそうな顔でオレを見ている。
「お前の顔ってさ」
「……うん」
「見れば見るほど、可愛く見えてくる」
「――――……」
んー。……うん。
ルカって、目がどうかしてるんだと思う。
「オレ、男に可愛いって言われた事、自慢じゃないけど、無いよ?」
そう言うと。ルカは、クッと笑い出して。
「自慢ではないな。……つか、まあ、男だから可愛いとは普通言われないだろうけど」
「――――……ルカの目がおかしいんじゃない?」
「そう思うか?」
「うん、思う」
「――――……目がおかしいのか」
とか言って、なんか考えてるし。
ちょっと吹き出してしまう。
「まじめに考えないでよ」
言うと、ルカも、クッと可笑しそうに笑う。
「――――……そういやさ」
「うん?」
「オレの事はどう見てんの?」
「――――……」
「オレの顔。お前にはどう見えてんの?」
「…………」
えーと。
どう見えて……。
イケメンではあるけど。
――――……確か、ゲームのキャラデザインで見た時は、うわー。なんか強気なイケメン……。王子でドSで? ひー、苦手。
――――……とか。思ったっけ……。あれでも。これはルカに言ったらだめなやつだな……。なんて思ってたら。
ぶに、と頬をつままれて、ルカの方を向かされた。
「……お前今、言えないような事、思ってたろ」
「えっ。そ、そ、んなこと、無いよ」
「――――……」
何で、どもるかな、オレ。
ルカは、ふうーーん、とニヤニヤして。
「……何思ったか、言ってみな?」
そんな風に聞かれて。
「えっと。 ルカって……すっごく、カッコいいなーって」
ああ、オレ。絶対棒読み。
いや、カッコいいとは思ってるよ。
ズルいと思う位、カッコいいと。
でも。さっき思ってた事を言わないようにって思うと、何故か、棒読みに。
ああ、怒られる。
と思ったら。ルカは、ぶ、と吹き出して。
「もう、お前、いいよ。何も言わなくて」
そのまま引き寄せられて、キスされる。
「……っ……ん、……?」
キスされながら、じっと見つめられて。
ドキ、と胸が震える。
「……ン……?」
何で見てんの。
――――……目を閉じれずに、見上げてると。
キスを離して、頬に触れたまま、ふ、と笑む。
「――――……ソラは下手に喋らない方が、素直だよな」
「…………」
ここの人達って、皆、心を読むとか???
やっぱり、あんまり文明に頼ってないと、研ぎ澄まされて……。
「ほんと、全部顔に出るっつーか……お前ほど分かりやすい奴、居ないよな」
「――――……」
あれ?
顔に??
「近くで見つめると、ドキドキする?だろ?」
「……」
「てことはオレの顔、好きだろ?」
「………………好きじゃないし」
悔しいから、そう言うけど。
「分かりやす……」
クスクス笑うルカに、ぐりぐりと頭を撫でられてしまう。
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