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「置いてく?」 ※

「……は、あ……は……っ」 「ソラ? どした……?」 「……っ……」  今の激しい感覚が引かなくて。体が、ビクビク、震える。 「……きも、ち、よすぎて――――……」 「――――……」  ルカは、オレの言葉を聞くと。なんか、すごく、瞳を緩めて。  頬を、でっかい手で――――……熱い、手で、するりと撫でた。 「……や……っ」  それだけなのに、ものすごく、ぞくん、と震えて。  そしたら、ルカは。ニヤ、と笑うと。 「――――……もっと気持ちよく、なろうな」 「……っ――――……ん、ぁ、あっ……」  中の、感覚、何一つ消えてないのに。  まだ、全身、ヤバいのに。  容赦なく突き上げられて、中、ルカので掻きまわされる。  なんか。  怖い位の気持ち良さに。涙が、目の横伝って、次々に、溢れ落ちていく。 「や……あ、ん……っ……っルカ、待って……っ」 「――――……無理」 「……っっ……! ……ひぁ――――……っ待っ……」  待って、無理。今、無理。  ――――……どうしよう、また……。 「……あ、あっ……!!」  どうしようもできないまま、また、真っ白な世界。  しがみついてた腕も解けて、ぱたん、と、ベッドに落ちる。 「……ソラ」 「――――……んっ……る、か……」  深くキスされて。めちゃくちゃ、舌、奪われる。 「……う、ん……んん……んー……っ」  ゆっくり、舌が離れると。  腰骨を、おっきな手が掴んで。めちゃくちゃ激しく、突き上げられて。  突かれるたびにイッてるみたいな、激しい快感に襲われる。 「ソラ――――……すげえ、気持ち良い、な」  正直もう、何回イッてるのか、よく分かんない位で。  ちゃんと息も吸えなくて、ヒクつきながら、ルカを見上げて。 「――――……っ……」    めちゃくちゃキスされて。  必死で、応える。  気が遠くなるまで。  抱き合った。  ◇ ◇ ◇ ◇ 「……ん、ん」  目を開けたら背中があったかくて。  ルカに後ろから抱き締められて、背中預けて寄りかかるみたいに寝ていた。 「――――……起きたか?」 「……うん」 「空。月が綺麗だから、見てみな」  ルカに寄りかかったまま、窓の方をまっすぐ見ると。  青色の月。なんだかものすごく、大きく見える。 「うわー……なんかさっきより、すっごく青く見える」 「色んな色の月があるけど。――――……オレはこれが一番好き」 「うん。オレも好きかも……」  ぼー、とただ一緒に月を眺める。 「あ、ソラ。水」  水を受け取って、口に流す。 「さっき、飲ませたんだけどな。 口移しで」 「――――……っ」 「めちゃくちゃ喘いでたから。カラカラだと思って」  ニヤ、と笑われて。後ろから見つめられて。  オレは、すぐ前を向き直した。  ……もう。なんなの、それ。恥ずかしいな。もう。 「明日か明後日には船だからな。お前、酔わないといいけど」 「……分かんない。どうだろ。遊覧船位しか乗ったことない」 「何だそれ?」 「んーと。1時間位船に乗って、湖を見まわったりするの」 「へえ。1時間か……全然違うな」 「……頑張る。料理するし」  後ろで、ルカが笑う気配がする。 「まあいざとなったら、すげーまずいけど、リアの薬飲ませてもらえ」 「まずいの?」 「……リアの薬は大体まずいぞ」 「――――……」  最初の朝に飲まされた、オレンジジュースみたいな見た目の、激マズな飲み物を思い出してしまった。 「それ飲んだら、余計吐いちゃうとかは、無い?」 「――――……それは知らない」 「ええー……」  すっごい嫌だ。  がっくりしてると、クッと笑って、ルカが揺れている。 「何で笑ってんの? あ。からかってる? もしかして、薬、実は美味しいとか?」 「いや、それは無い」  めちゃくちゃはっきり言われて、改めてがっくり。  笑ってたルカが、笑いを止めて、静かになって。  それから、少しマジメな感じで、話し始めた。 「――――……なあ、ソラ。お前、置いて行って欲しいか?」 「え?」  置いて行って、欲しい……??  後ろをゆっくり、振り返ると。 「それなりにリスクはあるんだよな。戦いに行く訳だし。しかも船でさ。お前また狙われるかもだし。――――……最悪、レジーにお前を預けて……とかも、少し考えなくもない……」  急に何を。  ずっと、連れてくって言ってたのに。 「ただ何日もかかるかもしれないし……そうなると、お前と離れてるの心配だしキツイし……」  そんな言葉に、ムッとして。  むく、と起き上がって、ルカを振り返った。 「……ルカ、オレに料理しろって言ったじゃん」 「ん?」 「料理、作ってって、オレに言ったでしょ」 「ああ。言ったけど」 「側に居ろって言ったじゃんか」 「――――……」 「居なくて良いってこと?」 「――――……違うだろ。お前の事、心配だから」 「守るって言ったじゃん」 「――――……」 「何、もう居なくていいの? 料理も作らなくて……」  途中で、ぐい、と引き寄せられて、キスされる。 「――――……っ」  深く、キスされて。  しばらく。深く深く、舌が絡んでから。ゆっくり、離れる。 「……悪かった。もう言わない。連れてく」 「――――……」 「ついてこい。ソラ」 「――――……」 「分かった?」 「……うん」  頷くと。ルカは、ふ、と笑って、オレをぎゅ、と抱き締めた。 「……お前、可愛い」  グシャグシャに撫でられて。むくれつつ。  でもオレ、置いてかれたくないんだなと。  ……リスクあっても、ルカの側に。皆と一緒に、居たいんだなって。  ルカの余計な、全然らしくない気遣いのせいで。  なんか、自分がそんな事をすごく思ってるのが、分かってしまった。    

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