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「ねがいごと」

  「……ん――――……」  キス、されながら、ふ、と瞳を開けると。  ルカ越しに、満天の星空。 「……ふ、っ……」  綺麗だなあ……。  そう思う瞳に、涙が、浮かぶ。  気持ち良くて、の、涙。  ゾクッとした感覚に震えて。 「……ん、――――……」  耐えられなくなって、一度瞳を伏せるけど。  なんだかもったいなくて、頑張って、瞳を開ける。 「――――……?」  それに、ルカが気付いた 「……何、見てんだ?」  顎を掴まれて。ルカと真正面で目が合う。 「星……綺麗だなって」 「――――……キスされてんのに……余裕?」  生意気、とぶに、と頬をつままれる。  ルカは、笑ってるけど。   「余裕じゃないけど……っていうか、余裕な訳ないし」  ルカのキスは激しすぎるんだよ。  むっとしながら言うと、ルカは、クッと笑った。 「――――……そんなに、綺麗か?」 「うん。凄い……そう思わない?」  そう言うと、ルカも、もう一度空を見上げる。 「……いつもそうといえばそう、だからな」 「……吸い込まれそうだなーって思う位きれ――――……あ」 「ン?」  流れ星だ、と思って咄嗟に声を出したら、ルカも見上げた。  ――――……無事戦いが済みますように!  とっさにお願いをし終えた時。 「星が落ちたな……」  ルカが、静かに言う。 「それって――――……流れ星のこと?」 「あれを、流れ星って言ってるのか?」  ルカに聞くと、逆に聞き返される。 「うん。そう。願いごとを言うんだよ」 「願いごと?」  ルカが面白そうに、オレを見つめる。 「落ちてく星に、願いを言うのか?」 「うん。落ちるまでに願い終えれば、叶うって」 「ふうん……」  ……興味ないかな。  ルカは、そんなものに頼らず自分で叶えるって、言いそうだもんなあ。  そう思ってると。 「今何か願ったのか?」  楽し気に微笑んで、オレを見下ろしてくる。 「……聞きたい?」 「ああ」 「……無事に戦いが、終わりますようにって」 「――――……」  言うと、ルカはオレをじっと見つめて。  それから、苦笑いを浮かべると。  ひょい、とオレを抱き上げて、立ち上がった。 「うわ」 「――――……何、オレ、心配させてんのか?」  ルカよりも高いところに持ち上げられていて、そういうルカをちょっと困って見下ろすと。  ルカは、ふ、と笑い、オレにキスした。 「部屋行こうぜ」 「――――……?」 「変なこと考えないようにして、寝かせてやる」 「――――……え、何それ」 「分かるだろ」  クスクス笑って、ちゅ、と頬にキスされて。そのまま、かぷ、と首筋を噛まれた。 「ひゃ……」  ぞく、と震えて、思わず、ぎゅーっとルカにしがみつく。   「そんなしがみつかれると、何もできない」  クク、と笑われて。 「できないようにしてんの!」  そう言うと、ますます楽しそうに笑われる。  そのまま、階段を降りながら、甲板への扉を閉じて。  ルカに抱えられたまま。  下の階の部屋に向かった。

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