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「むしろ燃えるって」

 オレを軽く抱えたまま、トントン、と階段を降りていくルカ。 「……いつも思うんだけどさ……全然重く、ないの、オレのこと?」 「まあ……軽いよな」 「……オレ、一応、平均のサイズはあると思うんだけど……」 「んー?」  クスッと笑いながら、ひょい、と片手で支えて、部屋のドアをルカが開ける。さっき、気持ち悪くなって、オレが寝ていた部屋。 「お前の世界の男って、皆こんな感じなんだっけ?」 「……強そうな人も、居なくはない」 「ふうん……まあ。抱き上げるのにちょうどいいから、ソラはこのサイズでいいけど」  クスクス笑いながら、ルカはオレをベッドにおろした。 「……さっきルカ、オレのこと見に来てくれたの?」 「ん。ああ」 「……何で?」 「何でって……まあ本気で、落ちて転がってないかと思って」  そんな風に言って笑いながら、ルカはオレに視線を流す。 「器用に落ちずに、ちゃんとベッドで寝てたぞ?」  笑って言いながら、身に着けている刀や、色々なものを、近くのテーブルに置いていく。 「ソラ、刀は?」 「あ。ごめん、ごはん作る時外したままだ」 「明日、ちゃんと身に着けとけよ?」 「うん」  頷きながら、履いていた靴だけ脱いで、ベッドの端で座っていたのだけれど。 「あ、そうだ。ルカ、この船、シャワーあるんでしょ? どこ?」 「……ああ、聞いてない。どこだろうな」 「なんか、潮なのか、ちょっとべたべたしてるし、シャワー浴びたい……」 「明日浴びれば?」 「え」  色々外し終えたルカが、オレを押し倒しながら、ベッドに上ってくる。 「……え、やだ、このままじゃ」 「何で?」 「ぁ、魔法で、綺麗にして?」 「――――……」  言うと、ルカは、んー、と顎に手をかけて。 「お前の味がしていいかも」  とか、とんでもない変態発言をしてきた。  仮にも王子が、そんなこと言っていいのかー!  めちゃくちゃニヤニヤしてるから、オレをからかってるのだろうかとも思うのだけれど、もしかしてこの人は本気で言ってるのかもと、数々のことが脳裏によぎって。  めっちゃくちゃ、ものすごく、絶対、嫌だ!! 「や……いやだ、ぜったい! シャワーか、魔法……!」 「ほんと、やかましいな、お前は」  クックッと笑いながら、ルカがオレの腕を取り、自分の上に座らせるみたいに抱きしめると、後頭部を押さえて、下から、キスしてきた。 「……っん、ぅ、ん……っ」  キス、位なら、いい、けど――――……。  ルカの手が、オレのウエスト辺りで動いて、する、と紐を解く。 「……や――――……ん、ふっ……」  抵抗しようと思うのに、ルカのキスが深すぎて、何もできない。 「ふ、は……っ」  息、できないし……!!  あまりに性急な激しいキスに、くら、と軽いめまい。  その隙に、すぽ、と服を頭から脱がされて、はっと気づくと、オレだけほぼ全裸。  なんて手際がいいのか、と、またまた嫌。 「……ちょ、と、待っ――――……」  慌ててるのに、ルカはクスクス笑いながら、オレの手をうまく押さえて、首筋に唇を寄せてきた。 「ちょ――――……ひゃ……っ!」  首筋をなめられて、びくん、と体が震えた。  感覚的にはゾクゾクして、そういう気分を、嫌でも盛り上げられてしまうのだけれど……。 「や、なめ、ンな、バカ……!!」 「――――……」 「……シャワー……」 「別に平気だって」 「……っひ、ぁ……っ」  つっと、舌が首筋から降りて、ルカの熱い手に、背中を支えて抱き絞められて。胸に、ルカの唇が触れる。 「や、め……っ……」   もう、ほんとやだー! 汗もかいたし、なめんなー!!  じたばた暴れてるのだけれど、もう、びくともしないんだよね、ルカ……。  もう、ほんと、やだ……!! 「……や、だってば…… やだ……!」 「――――……なんか。そんな嫌がられると、むしろ、燃えるんだけど」  クスクス笑う息と、不定期に乳首に触れる歯と舌と。あと、その言葉の内容に、マジで、焦る。 「……ル、カの…………変、態ー……!」 「はー?? 変態なんて誰にも言われたことねえけど?」  そんなセリフを言いながらも、ルカはおかしそうに笑ってる。 「ほんとお前――――……」  胸のところから、見上げられて。ふ、と笑むルカは。  ――――……こんな時、いつも、壮絶に、色っぽくて。なんかもう。  男っぽいというか雄っぽい、というか……。  なんか。そんな瞳に、じっと見つめられると、顔に、かあっと血が集まる。   「……ほんと、可愛いよな……」  言われて、頭に回ってきた手に引き寄せられて、また、深く、キスされる。 「……ん、っ……ふ――――……」  なんかもう。  心臓が、バクバクしすぎて、痛い……。  いや、そんなこと言ってる場合じゃない……。  ほんとこのまますんの、やなのに……。

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