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「どうやって」

「ルカ、ごめん……」  今攻撃しようとして、力ためてた時なのに。  そう思って、言ったら、ルカがオレを見つめて、笑った。 「いい。あぶねえとこに連れてきてるのは、オレだ」 「でもいっつもオレ、狙われるし」  そう言うと、ルカは苦笑い。 「一番弱そうなの狙うのは当たり前だからな。オレが守ればいいだけだし。……それより」  周囲を見回してからら、ルカが早口で、オレに言う。 「ソラ、今から最後の攻撃を仕掛ける。もしこれで効かなかったら、しょうがないから一旦戻る。結界を破れる武器か何か、とにかく装備整えて、再出発しかない。リアの近くに行けるようにしとけよ」 「うん」 「もう少し、隠れとけ……それか、ゴウとキースの後ろに行っとくか……」  ルカが、二人に視線を走らせた時だった。  ルカが見てる方とは逆の方から、デカい奴の足が伸びてきて。  あ、と思った時にはオレ達に絡みつこうとして――――……その瞬間。気づいたルカが、オレを、突き飛ばした。 「……ッ」  とっさに動いてくれたキースに受け止められたまま。  オレは、ルカに、デカいのの足が絡むのを、まるで、スローモーションの映画を見てるような感覚で、見ていた。   「ルカ!!!」  ルカに絡んだその足に向けて、ゴウが攻撃するよりも早く、リアが魔法を放つよりも早く。足が、ルカを持ち上げて、本体の方に戻っていく。 「リア! やばくなったら、オレを気にせず、先、地上に行けよ!!」  何言ってんの、というようなセリフを口にしたルカが。  オレの目の前で。  デカいのの、口に。  放られた。 「――――……っ……」  ――――……そう。  そうだ。さっき……考えてた。  雷の魔法以外、あまり攻撃をしてこない。  普通の人間なら、あの足で衝撃で倒せるんだろうけど、戦える相手には、あまり効かないのかも。  そういう時、どうやって相手を倒すんだろう、あの足は、何をするんだろうって。  ……食べる?  浮かんだそれに、さあっと、血が引いた。 「ルカ……!!!」  自分の声と、皆の声が、重なって、なんだか、すごく遠くで、聞こえた。  怖くて。  つい今さっきまで触れてたルカが。目の前から消えたことが怖すぎて。  目の前に落ちてる、ルカの剣を見つめたまま、一瞬、動けない。 「……ルカ!!」  我に返って、立ち上がって、思わず、デカいののほうに駆け寄りそうになったところを、キースに腕を取られて、止められた。 「ソラ!」 「……ッ……だって、ルカが……!」 「ソラが行っても、何もならない! 下がってて」 「……っだって……!!」  オレのせいで、ルカが……!  泣きそうなのを、こんなところで泣くわけにはいかないと、ぐっと堪えてると、キースの後ろに、下げられた。 「大丈夫、まだルカは生きてる」 「……っ」 「船の結界、破れてない。ルカに何かあったら、船の結界も破られてる。だから、今はまだ――――……」  近くに来た、小さめのを、キースが剣で弾き飛ばす。 「――――……でも、ルカを、あそこから、出さないと」  キースのその言葉に、皆が、頷く。  でも――――……ルカの攻撃すら、効かないのに。  皆の魔法も。  どうやって……?  ぐ、と、デカいのを睨む。  考えろ。  ――――……RPG、めちゃくちゃやってきただろ。  なんか、無いの。  攻略法――――……。  ああいうやつの、攻略法。 (2022/10/28) 次回、なるべく早く更新します(^^;💦 あれかな~これかな~と思うかもですが、 書きにくくなるので、 予想は、心のなかで~(^^♡

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