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「一生懸命」※

  「え、そんなことないよ。見てるよ? でもさ、ルカは全然乱れないしさ。なんならむしろ、ちょっと男っぽくて、カッコよくなっちゃってるっていうかさ」 「――――……」  またルカが、少し黙る。それから、ニヤと笑う。 「ふうん? ……ソラを抱いてるオレは、お前にとってカッコいいのか?」 「……ていうか……ずるいんだよ。オレがあんな風になっちゃうのだってさ、前は無かったのに、絶対ルカに会ってからだし。あんなぐちゃぐちゃになっちゃうのは、もう全部ルカのせい――――……」  ……って。  ……言ってるうちにものすごく恥ずかしくなってきたような……。  途中で気づいて、言葉を切ったけれど、もう言いたいことは全部言ってしまったような……。  どうしよう。ちょっとだけ時を戻してほしい……なんて思いながら、黙っていると、ルカはクスクス笑いだした。 「まあ、どっちにしても……ソラはされる方だから仕方ないんじゃねえの?」 「――――……」 「……ソラ、女と経験あるって言ったよな?」 「うん。ある……けど」 「女とする時、あんなに、溶けないだろ?」 「……そう、だけど……」  頷きながら、ルカを見つめていると。 「……お前がオレを抱くとかしてみる?」  ルカは、まっすぐをオレを見て、そんな風に言う。 「オレが? ルカを??」 「そ」  なんかとんでもないこと言いだしたー!  無理無理無理無理無理。 「……無理に決まってるじゃん。ていうか、ルカだって、そんなの無理でしょ?」 「そうか? ソラがどー--してもしたいって言うなら……」 「そんなこと言わないよー! もうー!! ていうか、絶対無理!」  オレは自分より強くて、ごつくて、こんな感じの男を抱く趣味なんか、全くないもん。無理だよう……!!  思いながら、無理を連呼していると。  ニッと笑ったルカに、ひょい、と抱かれて。  ぽす、と背を枕に沈められた。 「だったらお前は」 「――――……」 「……オレにドロドロに抱かれるしかないよな?」  今までニヤニヤして、オレをからかってたルカはもう居ない。  ……オレを組み伏せた瞬間にはもう、そういう空気をモロ出してきて。やたら、雄っぽいというか。  雰囲気をすぐに変えられるのも、ある種、才能な気がする……。 「休憩終わり、な?」  言いながら、オレの唇を塞いできて……すぐに舌が絡んでくる。  ……オレって、今、一体何が言いたかったんだろ。  恥ずかしいことだけ言って、終わったような気がする……。  大体にして、こういう話をしたからって、オレがルカに、こういうことで勝てるわけがない。……ていうか、勝ちたかったのかどうかすら、よく分からないけど。  とにかく、一人だけ、ずっとカッコいいままで、オレだけドロドロっていうのが、悔しいから言ったんだけど……。 「……んん、……ふ……」  キス、激しくて。  なんかもう、キスだけだって、ルカは、オレを、好きにする。 「……ん、ん、ぅ……」 「…………もう、トロトロだしな」  くす、と笑われて、また舌が絡んでくる。 「……んんっ……」  上顎をなぞられて、びくっと体が竦む。  ……なんかもう。手加減する気は、無いんだろうなという、キスの仕方。  ルカは一体、何回続けてできるんだろ……。  ……ちょっと今までも相当長い日もあったけど、そんなときは大体、もう意識がぐるぐるしてて、回数なんて、全く覚えてないし。  さっき皆に言ってた、夜には戻るって。  ……もしかして、本気なのかなぁ……。  考えると、恐ろしいけど、とても逃げれそうにないし。  ……そこまで逃げたくもない、位には。  ……ルカとするのが、好きになってるかもしれない。 「……は……ぁ。 ……っん、ン……ぅ……」  だんだん、色々考えられなくなってくる。 「ソラ……」 「……ぅん、……ん?」 「舌、もっと出せ」 「……ん、……ぅ……っ」  囁かれると。  もう、言うこと、聞くしかないような気がする。  舌を吸われて、噛まれる。  もうほんとに、気持ちいい。……と思った時、ルカがまたオレに触れる。  気持ちいいとこ、ピンポイントで、触れられて、腰を、もぞ、と動かした。 「……っん、ん……」  今度は、オイルをたらされて、中、あっという間に解される。というか、まださっきのまま、柔らかくて、抵抗もなかったと思うけど。  キスされて、前にも触れられたまま、また中に受け入れた。 「……っぁ、ン……!」    ルカは、オレが気持ちいいと感じるところを、全部知ってる気がする。  どこを突くと、オレが喘ぐのかとか乱れるのかとか。  もう分かってると言うみたいに、そこを狙って、突き上げてくる。 「……ひぁ……ん、んん……っ」  こんなに上手なのが、経験豊富すぎだからなのかと思うと、なんだか腹が立つけど。……正直もう、そんなこと考えてる余裕も、無くなってきて。 「……ル、カ……っ……」  オレ、男なのに。  ほんとは、ルカの思うがままなんて、納得いかないんだけど。 「……ソラ」  あ。  ――――……薄目を開けて、ルカを見上げる。  涙で滲んで、良く見えないけど。 「……っ、ソラ……」  なんか、少し、息が荒い。  キスに、余裕がない感じ。激しい。 「――――……ル、カ……」  腕を回して、ルカの首にしがみつく。 「……ルカ……」  ぎゅう、としがみつく。 「……オレと……するの……気持ちい?」  そう、聞くと。  ルカは一旦、動きを止めて、オレの腕を掴んで、少し離した。  そのまま、両手、ベッドに括り付けられるみたいに、押さえられた。 「当たり前だろ」  至近距離の真正面。  オレをまっすぐ見つめて、ルカはそう言って、ふ、と笑う。 「……ドロドロには、なんねえけど――――……」 「……あっ……」  押さえつけられたまま、深く突きあげられて、仰け反る。 「……っあ……ん……っ」  ルカが耳元に唇を寄せてくる。 「結構めいっぱいで――――……お前のこと、抱いてるし」  そんな風に、囁かれて。  心臓、がわしづかみにされたみたいな。 「……っっ」  そうなんだ。ルカも、一生懸命、なんだ。  って思ったら。  体の奥の奥の方で、すごく、震えて。  めちゃくちゃ気持ちよくなった。  ルカのを、知らずに締め付けてたら、 「き、つ……ソラ……」 「……っぁ……っ」  中、どうしようもないくらい気持ち良くなって。 「っ緩めろ、バカ」 「……やだ、無理……!」 「……っ ……」  きゅう、と締め付けていたら。  ルカが、中でイったみたいで。 「……ッ……ざけんな、ソラ……っバカ……」  ルカが、オレに覆いかぶさるみたいになって、はー、と息をついてる。  バカバカ言われてちょっとムカつくのだけど。  ……多分、今、ルカ……。  イこうとしてないのに、イっちゃった、みたいな感じだった。  どうしよう…………ちょっと、可愛い……。  って、オレも、全然余裕はないのだけど。  ……なんか、照れてるのか、全然、顔上げないで、オレに押し乗ったまま、荒い息、整えてる感じ。  ……ちょっとじゃなくて、大分、可愛い……。  胸の奥がきゅう、と締め付けられる感じ。  ……なんて思っていたら。   「……よし、続き。今のノーカウント」  とか、意味の分からないことを言ったルカが、オレを、抱き起こしたと思ったら。  ルカの上に座って、下から突き上げられる、座位の体勢になってて。 「……んん、ン、あ……っ……!」  突かれるとこがいきなり変わって、深く突かれた瞬間、達して。  仰け反った背を支えられて、そのまま、深くキスされる。 「……お返し」  くす、と笑ったルカの、いじわるい笑みに、もうー-!! と声に出せない怒りとともに。 「……ソラ……」  また、キスされる。 「――――……」  ……ドロドロじゃないけど。  …………ルカも、一生懸命なんだ、と思ったら。  …………大好きと思っちゃって。  ぎゅ、と抱きついていた。

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