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「ご対面……?」

 ……ううん。なんだろう、引っかかって――。  その時、ふっと、突然よみがえるセリフ。 「だからこいつは、こっちじゃないって!!」 「え、どーいうこと?」 「こいつは向こうにそのまま居て、あいつが戻る筈だったんじゃん!」 「え? そうなの? それじゃバランスおかしいじゃん。こっちの世界に来る奴は誰だったんだよ」 「動物にしただろ!」 「あれ、そうだっけー?? あれでも、こいつ、動物の気配しねえ? ……あれ? 良く分かんなくなってきちゃった」 「あ、やっば! 勇者の攻撃、もう終わりそうじゃ――――……うわあ!」 「ああああ!!」  ――この変なやりとり、思い出した。  変なやりとりの中。オレは、不意に、ひゅー、と落ちたんだ。  落ちてる間も。なんか、声が、かすかに、聞こえてた。 「……落ちちゃったよ。どーする?」 「――――……あそこに出て、拾うのもおかしいし…… ちょっと整理して考えてからにしようぜ。しばらくなら大丈夫だろ」 「……あいつ戦いのど真ん中に落ちたけど……さすがに死んだらちょっと……」 「勇者居るし、大丈夫だろ」 「そっか」  ここまでは、聞こえてたこと――不意に、思い出した。  この世界に来た時に、ルカと魔王の間に落ちた時に、聞いた言葉。  今まで――全部忘れてたのに。  突然、全部、思い出した。  どういうこと?   ――ていうか、これ話してるの、誰?  そう思った、瞬間だった。 「よ、ソラ、久しぶり」 「……つか、こいつ、オレらのこと知らないだろ」  そんな声に振り返ると、変なのが二人。  変って言っても別におかしいとかじゃないんだけど……ぱっと見は綺麗だと思う。  二人とも同じような服装をしている。シルクっぽい光沢感のある服。オレの着てる服に形は似ている。  頭からすぽんとかぶって、腰でひもで縛ってる。ゆったりとしてて、胸元がおおきく開いている。  ただ材質がもっと上等な感じで綺麗で、柔らかそう。ゴールドの腰ひも。服には、金色の糸で細かい刺繍がされていて、とても綺麗。  オレの服は太腿までだけど、この二人の服は、足首まで。脚は、金色のストラップのサンダルだ。  長いマントもついてて、なんか――全体的に、すごくゴージャス。  一人は金の短髪。  もう一人は金の長髪。ゆるくウェーブが掛かってる。  金のアクセサリーを首や手首につけてて。  なんかあれだ、ギリシャ神話とかの、神様みたいなかっこだなあ、とぼんやりと思った。 「なんかすげーぼーっとしてんな」 「訳も分からずこんなとこにくれば、こうなるだろ」  こいつらの声は。  思い出した声と同じだ。 「――誰?」  ぎゅ、とミウを抱き締めて、聞いた。  すると、短髪の方が「オレは、カノン」と言い、長髪の方が、「ゼクス」と名乗った。  カノンは見るからに軽そうで、ゼクスはちょっと固そう。年は、同じ位かな。 「――ここ、どこ?」  もう、勇者も魔物も、魔王すら出てきたこの世界。何がこようと、オレは……ある程度受け入れられる気がする。それに、思い出した内容が正しいなら、オレがここに来たのは、もしかして、こいつらのせいなんじゃないかと、思うし。 「その前に、ルカ、どうして倒れてるの?」 「ルカは、目が覚めてると厄介そうだから、今だけ眠ってもらってる」  ゼクスが言って、「やっとちゃんと会えたな」と苦笑した。 「……誰? ここ、どこ? 話が終わったら、オレ達を皆のところに返してくれる?」 「オレ達は、神。ここは、地上を見るための区域。話が終わったら、ルカもソラも、地上に返してやる。ただソラに関しては、決めてほしいことがある」 「うん。分かった。返してくれるなら……とにかく話を聞く――――って今、神って、言った?」 「言った」 「神って……神……?」 「お前らが言うところの、神様って奴だな」  途中から、カノンが入ってきた。ニヤニヤ笑ってて、ちょっと不快。 「神様のコスプレ……じゃなくて?」  言ったら、二人に、めちゃくちゃ嫌な顔をされた。  神様って。  ……まあ勇者魔王魔物、神様。RPGには、よくセットで出て来るよなあ、と変な納得をしてしまう。  意味は全然分からないけれど。神様といよいよ、ご対面か。  ………………オレが、ここに来た意味が――分かるかも……? 「ソラ、理解力無さそうだけど、説明するから、ちゃんと聞けよな?」  カノンが笑いながら言って、オレを見つめる。 「――なんて失礼なんだよ! 理解力、あるし!」  言い返すと、ゼクスが嫌そうに「ほんと無さそう……ちゃんと聞いとけよ。一度しか言わないからな」と言う。  何てムカつくんだ。全然神様になんて、見えない。 ◇ ◇ ◇ ◇ あとがき。 次の時消します。 神が出てきて、びっくりしてる方いますかー(゚Д゚)ノオーイ!! でも ずーっと前からこういう流れにしようと思って、あの落ちた時のセリフは書いてたので…… 別に唐突におかしくなったわけじゃないんです……そのつもりだったんです。ただ、間のエピソードに時間とりすぎただけ…書くの楽しすぎて……(笑) いろいろ面白くなってくはず! なので、よかったら見守ってくださいまし(๑´ლ`๑)フフ♡(笑) 次の話は、ソラと一緒に一生懸命聞いてください……(*´∀`人)(*´∀`人)

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