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甘い生活 2

   繰り返し繰り返し、快斗が亡くなる度に俺は繰り返しその後を追う。  幾度目かの際に、一番効率がいいのがカミソリで喉を切ることだって学んだ。  箪笥の中にカミソリを入れていた理由は、これ だ。  どうしてそこまでできるのか……なんて尋ねられても答えは持っていない。  ただ、気に掛かる。  ただ、可愛いと思う。  ただただ、愛おしいと思う。  それじゃあ答えにならないんだろうか?  拗ねる姿も、何か言いたいのに飲み込んでしまう姿も、満面の笑みでお帰りと言ってくれる姿も、快斗が幸せそうにしている姿を見るだけで、それだけで胸の中が甘いもので満たされる日々を送れる。  幾度苦しい思いをしても、それでも快斗と共に生きることができる人生を選択し続けるのは、快斗が堪らなく可愛いくて愛しいからだ。    似合わない顎髭は別として、基本、快斗は可愛いんだから、それだけで何もかもが報われると言うもので……     特に発情期中の快斗はこれ以上ないってくらい可愛くて、必死になって求められると胸の中が煮えたぎって、自死を選ぶなんて気持ちのいいものではないことを選ぶ心が救われる。  映画の下りは潰した……じゃあ、他に快斗があんなことをするような要因は他に何があった?  考えろ、  考えろ、  俺はもう、快斗を看取るなんてことはしたくない!    名残惜し気に俺を引き留める快斗のナカは熱くて、蕩けそうで、なのにキュウと切ないほどに締め付けて来て、俺を放さないようにしているかのようだった。  幾ら果てても、それでも俺を求めてくれる。  嬉しくて、幸せで、幾らでもこのナカにいたいと願ってしまうのだけれど、そう言うわけにもいかない。  避妊は100パーセントじゃないとは言え、少しでもそれに近づける努力はするべきだ。 「や  離れないでくれ」  俺の胸中を知ってか知らずか、快斗はそう強請っては発情期のグズグズの思考の中で俺を誘惑する。  知っているんだ、  快斗が何を求めているかは、  βとΩでパートナーシップも結べない俺達には法的な拘束力はなくて、もしどちらかがこの関係を止めたいって言い出したらもうおしまいになる関係なんだって。  だから、子供を欲しがっている のだと、思う。  以前に、快斗の店の客が妊娠騒動を起こした時はケンカにまでなってしまって……でも、だから子供は作らない。 「零して、いいよ?」  いつだって、快斗の言葉は俺を誘惑してやまない。

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