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collector 3
男は続いて、Ωの左右で色の違う瞳を愛でるために手を伸ばす。
左の銀目を同じように撫でようとしたが、首を振られてしまいそれは叶わなかった。
「は はは 」
「さわるな いやだ 助けて…… ────」
最後に呟かれたのは人の名前のようだったが、男に馴染みのない発音が零れ落ちる。
縋るようにその名を呟くΩに向けて顎をしゃくると、侍従はやはり何も感情のこもらない瞳のまま「承知いたしました」と返事を返す。
ちゅる と唾液なのか、それとも花の匂いを纏わせる蜜なのか判断がつかない物を啜り上げる音が響く。
「ぃ ……ぅ、も やめ 」
最奥に熱が欲しくて堪らず、けれど与えられるのは侍従からのどこか余所余所しい義務的な愛撫ばかりで……
Ωは腹の奥に渦巻く熱に耐えかねたように、歯を震えで鳴らしながら自分を見下ろす男に視線を向けた。
いや、向けてしまった。
そうすれば逃げられなくなると本能的に知っていたのに、いたぶられ続けた体は本人の意志を裏切って、まるで誰かに操られているようにその男に向かって伸び上がる。
「たす 」
「助けて」と言う言葉は、それはこの男に自分が屈したことを認めてしまうと分かっているはずなのに、攣れるような体の奥のじれったさに耐え切れずに言葉を漏らした。
「はは!」
見下ろされて笑われた瞬間に冷水を浴びたように、なんてことをしてしまったんだと思考が戻るのに、また次の一瞬には熱に浮かされて膝から力が抜けてしまう。
そうすると男の目に見せつけるようにくぱくぱと塞いで欲しがっている穴が拡げられ、いやらしく犯して欲しいと強請っているのが一目瞭然だった。
「 ら くに なりた 」
喘ぎすぎて乾燥し、ひび割れた唇から零れる言葉は苦痛を含んでいる。
「では 晒せ」
その言葉を吐かれた瞬間、ひぃ と細く長い悲鳴がΩの喉から隙間風のように漏れ出す。
抗えない力で押さえつけられるように、枷に繋がれた手が動き、両方の尻肉を押し広げる。
赤く、
淫靡で、
濡れて光る。
がちがちと歯の鳴る音が、その体勢がΩの本心からのものでないと物語ってはいたが、侍従はどうすることもできないまま男に場所を譲るべく身を引く。
────やはりだめだったか
妖精の様な顔立ちに一切の表情を乗せないまま、侍従は男がΩを犯すのを眺めて胸中でそう呟いた。
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