247 / 714

ひざまずいてキス 10

「タイガって呼んでよ、ナオちゃん!んで、マンネリ防止に手を繋ぎながらコイビトセックスしよ」 「こ……はぁ⁉なんでお前と」  ジタバタって暴れるから、こっちもイラっとして抵抗しにくいように俯せに押さえつけた。  赤くなった白い肌と、それから薄くなってしまった俺がつけた歯型と……  二回噛んだくらいじゃ、痕は残らなかったらしい。   「ちょ、な、なんなんだ!」  なんだっけ?  えーとかべーとか?そう言う奴らはここを噛んで自分のだってマーキングすんだから、俺がナオちゃんに噛みつくのはシゴクマットウ。  ぐぅっと奥まで突き入れると背中を丸めて快感を逃すようにするから、項が晒されて……だから俺は前にもしたようにその首に噛みついた。  ごって音がして、さすがに体が吹っ飛ぶ。 「お前はっ!学習能力がないのか!」 「へへへ」  まぁ、ナオちゃんの回し蹴りくらい、余裕よゆ……でもなかった、ちょっと痛い。 「しかもっこの位置……これ隠れるか?こんなみっともない傷、大神さんに見つかったら……」  そう言って項を気にする素振りに腹が立って……  俺の物だって言う証拠が、みっともないって言われてむっときた。   「見られて困んの?」 「困るって言うか、社会人が噛み痕なんてつけてるわけにはいかないだろうが。取引先や部下達に示しがつかないと言うか、プライベートと線引きができてないと言って回るようなものだろう?仕事に私生活を持ち込むのは社会人として褒められたことではないし、ましてや性指向をむき出していると言うことは社会におけるライバル会社に   」 「あ、なんかごめん」  大神の他に抱かれてるのがばれるから とかそんなんじゃなくて、社会人としてシゴクマットウな言葉で返されて項垂れるしかない。  ってことは前に噛んだ時も、シャカイテキに良くなかったってことで。  まして二度目の時は大場商事のおっさんから渡されたビヤク?とかを使って大惨事になった。  結局アレの出所は教えては貰えなかったけど、あんな液体でナオちゃんが発情してエロくなる成るんだから、またこっそりどこかで入手できないもんか。   「次の商談だって……」 「この前言ってたスオンワークスってとこ?」 「いや、今度はカプティロってとこだ」 「知らないとこ」 「そりゃそうだ、新しく出来た……って、なんで話さなきゃいけないんだ!」  油断して話してくれてたのにって思っても、すぐに怒り出すからろくな話が出てこない。

ともだちにシェアしよう!