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手作りの楽園で 13

「なんで……なんで……」  譫言みたいに繰り返される言葉は僕のセリフなのに、呟いているのは多郎太だ。  ネクタイで拘束された手で一生懸命逃げようとしても、ほんの少しずり上がることに成功するだけで、それもあっと言う間に腰を掴む手に引き戻されてしまう。 「なんで……」 「────っ」  背中からぶつりと皮膚の破ける音がして、出そうになった悲鳴をとっさに飲み込んだ。  大声を上げてこんな状況を見られてしまったら、僕だけじゃなく多郎太まで変な目で見られてしまう! 「なんで……」    ずきずきと肩甲骨の辺りが痛んで…… 「っ……た……」    痛いはずなのに……  なのに、でも、どこかそうされて嬉しいって思ってしまったことに戸惑った。  現に心よりも体の方がずっと素直に反応していて、体の中にある多郎太の指をぎゅっと締め付けたのが自分自身でもわかったくらいだ。 「なんで……」 「たろ ちゃ……も、やぁ……」  無理矢理えっちなことをされてるって言うのに喜んでいる自分が恥ずかしくて、きゅうきゅうとそれでも多郎太の指をねだるように体が反応してしまう。  多郎太にキスされたことも、  奥を掻き回されていることも、  それに感じてしまっていることももういっぱいいっぱいでわけがわからなかった。   「たろちゃ……ひぃ んっ」  ぐっと差し入れられた指を広げられて、くぱ……と開いた部分にひやりとした空気が流れ込む。 「やぁっ!  たろちゃんっもう!……や、ぁ、んっ」  あれほど体内をこねくり回されて苦しかったのに、引き抜かれてしまうと寂しさで思わず腰が揺れた。 「  ────りん」  その声は先程までの恐ろしい声音なんかじゃなくて、いつも自分を呼ぶ声に近く思えてはっと多郎太の方へと向き直る。 「たろちゃんっ!あの……」  もう他のお守りなんか受け取らないから と、続けようとした言葉が押し倒されて掻き消えた。  足に触れる熱いものの感触に「ひ 」と声が上がる。 「りん」 「たろうちゃん……?」  さっきから馬鹿みたいに同じ言葉ばかりを繰り返していて……  でもこの状況でそれ以外の言葉が考えつかなくて、もう一度、多郎太が正気に戻っていることを祈って「たろちゃん」って呼び掛けた。 「  ────っ」  押さえつけるように口を塞がれたのはその直後で、大きな多郎太の手で押さえつけられると鼻まで塞がれてしまいそうだった。  反射的にもがいて突っぱねようとした僕の体の奥に、熱いモノが宛がわれて……  それからどうされるか なんてのは、さすがの僕でもわかる。

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