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手作りの楽園で 15
「たろちゃ 」
すんすんと鼻を鳴らしながら惹きつけられて手の方へと顔を寄せると、多郎太の大きな手が開いて白濁の液に塗れた掌が頬に触れてくる。
熱と、青臭い臭いと、水の香りと……
ぬるりとした感触が頬を撫で、首を通って擦り込むような動きをみせながら胸を通り、飾りだとばかり思っていた乳首を捏ねる。
「んん、……そこ、は……」
そんなところ、使うでもなし、男なのだからただの飾りなんだって思っていたのに、熱い指先が弾くようにそこを苛めると自然と鼻に抜けるような甘い声が零れてしまう。
「ひぁ 」
「もっと」
もっと?と繰り返そうとする前に、固い指先が乱暴に胸を摘まみ上げる。
「ぃ っ」
その力が強すぎて、反射的に手を払いのけた。
ぺちんと言う間抜けだけれど、教室に良く響く音が上がった瞬間、僕がわかるくらいはっと目を見開いた多郎太が動揺したのがわかる。
「……あ、り ん」
精液に塗れた手を青ざめた目で見て、ゆっくり僕の姿を見て青くなった。
「りん……りん、なに、なにそれ」
小さく震える手が指差す先は、誰が見ても乱暴されたんだってわかる姿で精液に塗れた僕だ。
でも、一番の問題はそんなことじゃなくて、加害者である多郎太がまるで僕が誰か知らない人にでも襲われたのかってふうに言ったことだった。
「これ は」
慌てて膝を閉じて、手に絡まっていたシャツで体を隠す。
丸まったシャツで隠せるところなんてそんなになかったけど、それでも何もしないよりかは幾分もましだ。
「なん……なんで?」
「なんで……て?」
いきなり押し倒して、こんなことをしたのは多郎太なのに、その原因を僕に聞かれてもわかるわけがない。
「あ、……そんな……」
誰に?と言い出そうものなら怒らなきゃって思ったのに、実際に多郎太が「誰がこんなことを」って言いだした瞬間思わず手が出てた。
腕力なんて全然ない僕の平手打ちなんて、多郎太には全然痛くも痒くもないんだろうけど、さすがにそのとぼけ方に腹が立った。
「なんでそんなこと言うのっ!」
「わっ……」
ぺちん って情けない音は、僕の全力だ。
「自分の格好見てよっ!誰がしたかなんてわかるでしょ!」
僕と同じように多郎太だって服装は乱れまくっている。
散々縋りついたからシャツは皺くちゃでボタンは外れかけているし、乱暴に引きずり下ろしたズボンは下着ごと膝の辺りで塊になっていた。
何より、濡れて雫を溜めた陰毛の下で項垂れているソレは、僕のナカに入ってたことによってまだしっとりと濡れている。
こんな状況で、何を言い訳しようとしているんだろうって思ったら、泣きたくなった。
いや、実際にぽとん って涙が溢れて床に落ちてしまった。
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