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乞い願い慕い犯す 33
薄汚いあの家のα達だけがああなのか、それともあの光のただ中にいるような存在ですら、結局保身に走るのか……
彼が杠葉を見放した瞬間、私は何を思うだろうか?
彼にはΩなんてものから離れて欲しいのは確かなのに、だからと言ってやっぱり彼もそうだったのかと落胆したくない気もする。
堕ちた颯と、それでもΩを守るために踏みとどまる颯を、どちらも見たいと願ってしまう。
そんなこと、叶わないのに。
テストの点数をつけていたが、さすがにうんざりして背筋を伸ばした。
ぺき と小さく背骨が鳴ったのに顔をしかめていると、ノック音がして同学年の国語教諭が顔を覗かせる。
「こちらでしたか」
「ああ、はい。えっと……?」
準備室の奥にあるデスクから慌てて立ち上がって駆け寄ると、国語教諭は大げさに手を振ってみせた。
「いえ!大したことではなくて、飲み会どうされるかなぁって返事が聞きたくて」
「あっそっか……幹事をされてたんですよね、お手数をお掛けして申し訳ないです。せっかく来て下さったのに、今回は見送りでもいいですか?」
「いえいえ、わかりました!それではお邪魔しました」
他にも聞いて回らなければいけないのか、国語教諭はぱたぱたと急ぎ足で遠退いて行く。
放課後の校舎はその音だけでも大音響で……
国語教諭の気配を知る手掛かりになる。
「 ────先生は行ってしまいましたよ」
そう振り返る先には先ほどまでテストの点数つけをしていたデスクと色濃くなりゆく夕日を切り取る窓しかない。
けれど、くちゅりと音が耳を打つ。
「ああ、君もイってしまったんだ」
デスクと壁の間に小さく身を竦めている彼の目が私を見上げる。
「 ぅ……ら って 」
舌足らずに返答しようとするが、意識は違うところに向かっているようだった。
ちゅこちゅこと小刻みに彼の手が動き、精液の溢れかえる尿道に差しこまれたプラグを動かしている。
「ら、って……ぁ、ぁ、あ゛っあ゛あ゛あ゛っ」
彼の体がビクンと跳ねたかと思うと、長い足がデスクを蹴りつけてけたたましい音がこだました。
ひぃひぃとだらしなく開いた唇から零れる息が肌に落ち、それに感じて身を悶えさせてはまた小さく「あ゛ぁ!」と声を上げる。
「お気に入りだね。用意した甲斐があると言うものだよ」
「ひ、ゃ、 ぁ゛あ゛」
堪え切れない快楽に震える内太腿をつぃと撫でてやると、ぼんやりと開いた唇から呻き声のような音が零れた。
「おち〇ぽの中が一番の性感帯と言うのも面白い話だね」
すっかり尿道を弄るのに夢中になっている彼に当てこすりのように言ってやるが、私の声が聞こえているのかいないのか……
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