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乞い願い慕い犯す 37
制服の上着を掴んでいる手がぶるぶると震え始める。
「さぁ」
ひく と彼の喉が引き攣り、観念したかのようにそろりと両手が解けていく。
上着に隠された、膨らみを私の眼前に晒して、彼は酷く屈辱を受けて恥じらう表情をしていた。
「何を期待していたのかな?」
「……なにも 」
「なにも?」
やはり同じことの問答で、さすがに鼻白む気分だ。
「ではもう用事もないし、帰りたまえ」
「 っ」
慌てるような彼の気配に、ゼリー飲料を開けようとしていた手を止めた。
「 な、なに、か するかと、思って、期待して いま っ」
言葉の最後は耳には届かない。
悔し気に歪む彼の口からははっきりした言葉が出ず、睨みつけてくる両目は甘やかな雰囲気なんて一切なかった。
なのに、彼の体は明らかに発情していて……
「何をどうすることにどう期待してたのかな」
そう問いかけると彼の視線は昨日、尿道を弄っていた時にいた辺りに視線が動いていく。
「 ぉ、おち〇ぽに、じゅぽじゅぽ……して、ザコち〇ぽからミルク、だ、出したいって、期待して、おち〇ぽ膨らませて……きた、きたい、 」
「じゃあ、使っていいよ」
「は……?」
昨日彼が埋まっていた壁とデスクの間を指し示す。
「昼休み、ここで授業の準備をしてるから、その間ならそこでシテていいよ」
「ぁ 」
彼の震えは全身を満たして……
絶望とまでは行かないだろうけれど、期待を裏切られた彼の目がおろおろと滑稽なほど辺りに彷徨う。
言い募りたいことを言葉にしようとしていたのだろうが、それは言葉にならずに掻き消えた。
「……いえ、いいです」
わななく唇から出た言葉に、「そう」とだけ素っ気なく返して背を向けた。
呼び出しの際の彼の表情はいつも険が酷く、触れるなら噛み殺すぞとでも言いたげな表情だったけれど、今目の前に立つ姿にその雰囲気の欠片は僅かも残っていなかった。
「 っ」
準備室に入った途端、顔を伏せてこちらを見ようともしなければ何かを言い出すこともない。
いつもならば「早く済ませてくれ」とぶっきらぼうに言いそうなものなのだけれど。
「さて、今日はどうやって遊ぼうかな?」
「……」
もじ……とわずかに膝が動いただけで彼は何も答えない。
「希望がないなら、今日はもういいかと思うのだけれど」
「えっ」
「はは。毎日できるほど若くもないんでね。今日はもういいかな」
「まい……だって、昨日も して……」
「ああ、そうだったっけ?」
彼の痴態を散々見たせいか、自分自身が出していなかったことに気づかなかった。
「まぁそんなこともあるだろう?」
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