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晴と雨の××× 14

 一般家庭ならば親に相談するとか、悩みを聞いてもらうなんて言う選択肢もあったのかもしれなけれど、うちはそう言った点では期待できない。  自分で判断すればいいと言われているし、報告してくれたらそれで と言うのが親のスタンスだ。  逆を返せば、自分達に話を持ってくるなと言うことでもある。  幼い頃から自立するようにと言われていたために不思議にも思わないことだったけれど、これが一般家庭と違うと言うのは良くわかっているつもりだ。  それで不便はなかったし、自分でなんとかする力をつけることができたから良かったと思う。  けれどそれと、寂しさを感じないかってのは、別問題だった。 「で、その後は?」 「は?」 「虎徹先生とさ」  初日に声をかけてくれた隣の席の関口夏太はそう言ってくるくると箸を振り回す。 「…………な、何もあるわけねぇだろ」  人のナニをデバガメしたいのか知らないけれど、虎徹とはあの日以来話らしい話をしていない。  また部屋に忍び込んでいるんじゃなかろうかと考えもしたが、部屋に異状はなかった。  浴室の扉が少し歪んでいるようだったけれど、たぶんあの日俺の頭に衝撃を与えたのはコレだったんだろう。  外れて倒れてきたのか、虎徹が投げつけてきたのかは定かではなかったけれど…… 「えっ⁉あんなコトしといて!?」  夏太の言葉だけを聞いていると誤解を招きそうだ。 「なんも  してないよ」  向こうからされたキスはカウントするのかと、一瞬迷ったせいで間が開いた。  夏太はその間を読んだのか、意味ありげな顔でにやにやーとして唐揚げを食べた後の箸をまたくるくると回す。 「行儀わるいぞー」 「オレの行儀より噂の真実の方がー……」  にへ と笑う夏太は新聞部だ。  下心前提と思いたくはなかったけれど、こいつが俺に話しかけたりするのは虎徹とのことで目立つ俺から情報を引き出したいからなんだろう。 「真実も何も  なんもないって」  転校前の学校にいた時は、それこそ何を言おうとも押しかけてしがみつき、食らいついて離れない勢いだったのに……  家に帰ればいるし、学校に行けばいるし、買い物先にもいるし。  そこまでしていた虎徹が顔を見せなくなって、一番面食らっているのは俺なんだ。 「出会いは?付き合いは?」 「ノーコメント!」  まさか、あんな言葉一つで諦めてしまったのか? 「……いや、なんで残念に思ってるみたいになってんだ」 「なんか言った?」 「なんでもない」  諦めて貰わなければ困るんだ。   「えー?じゃあ虎徹先生に話を聞いてもいい?」    

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