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晴と雨の××× 55

「言葉にしなくても……何てのは幻想だと思います。このままだと水谷さんもですが、何より林原さんが一番辛いんじゃないかと思うんですけど」 「……わか、っては……」  そうは言っても、だ。 「言いにくい事柄ですか?」 「……だいぶん」  とは言え、辛抱強く話を聞こうとしてくれている阿川に対しても申し訳なく思えて……  周りに人がいないのを知っているのに、辺りを見回して人がいないことを確認した。  食堂の端の方でお茶を飲んでいる人がいるくらいで、周りに人はいない。 「ぁ  虎徹の×××が、  」  その瞬間、阿川がガタッと大きな音を立てて立ち上がる。  人のそんな話を聞かされてさすがに嫌な気分になったのだろうかと、申し訳ない気持ちでそろりと様子を窺う。 「  っ、あのっ、そ、そのっ」  ざぁっと顔色を青くした阿川に、申し訳ないと言う気持ちは吹っ飛んで何が起こったのかと言う戸惑いの方が勝った。 「そ、それっはっ  」 「…………その反応ってことは、知ってるんだ」  思わず声が低くなるのは、普通は師事していたからと言って×××……ち〇こを目にすることなんかないと思うからだ    そう言った関係ではないと言ってはいたけれど……?  それともあいつは、どこでもかしこでも、誰の前でも裸になるような性癖があるのか? 「いやっいやいやいやっ違いますっ!温泉に一緒に行ったことがあってっそれでっあのっ…………お願いします……思い出させないでくださいぃ」  阿川は呻くように言い、股間を押さえるようにして項垂れてしまった。    青い顔で突っ伏してしまった阿川のつむじを見下ろし、ぼそぼそと呟く。 「アレ を、見て、あいつとどうこうやっていこうと思えるか?」  思わず阿川に倣って股間を押さえるようにしてうずくまってしまうのは、虎徹の股についてるナニがトラウマクラスだからだ。  たまたま見てしまった時には、数日間寝る度にうなされたのは今は懐かしい思い出だったりする。 「……」 「……」  大男にアレがついてたらどうこう言うことはないのかもしれないが、あの顔と体に取ってつけたまるで出来の悪いコラージュ作品のようなナニを見てしまうと…… 「そ、ですね」 「話が早くて助かるよ」 「えっと、じゃ  ……主な原因は水谷さんのち〇こが原因と言うことで……」  はっきりと言葉にされて、思わずかぁっと顔が赤らむ。 「  こたくんに、何言ったの?」  ひやりとする声が天井から降ってきたと思った瞬間、目の前の机にドンっと人が落ちてくる。 「君、こたくんが恥じらわないといけないような、ナニを話したの?」

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