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狼と少年 6

「……帰ります」  椅子に沈み込みように座っている大神に告げると、うっそりと不機嫌そうに眉が動く。  深淵を覗いているような黒と言うよりは褐色に近い瞳に見つめられて、セキは逃げ出すこともできずにスラックスで身を守るように握り締める。 「そんなものを入れたまま帰れんだろう」  苦味を滲ませた声だったはずなのに、セキはぱっと顔を上げて大神へと飛びつく。  大きな椅子は頑丈で、二人の体重を受けて軋みの音を上げただけだった。 「じゃあ、じゃあ、取ってください!」  仕事中だからと追い返されるかと思っていただけに、セキは満面の笑みで大神の膝の上へとよじ登る。  太い丸太のような足を跨いで落ち着く頃には、ナニを期待してか黒いパンツの膨らみが大きくなり始めていた。 「自分で取ろうとは思わないのか」 「えっ⁉」  それが普通のはずなのに、セキはそのことには全然考えが及ばなかったとばかりにすっとぼけてみせる。 「オレは仕事中だと言っただろう」 「でもっでもっ……あ、直江さんは一時間ならずらせるって言ってました!」  良い子の返事のようにハキハキと返すと、大神の眉間にさらに皺が寄って呻き声が漏れた。 「あいつは  っ」  呻きながらも、大神はそれ以上秘書の気遣いに対して怒る気にはなれなかった。  直江が自分に対して、身を固めて子供を儲けて欲しいと思っているのだろうことは、普段の言動の端々から読み取れることで……  自分のことを考えてくれているのだとはわかってはいたが、だからと言って飲み込めないことはある。 「大神さん?」  珍しく傍にΩを置いているからそんなことを思われるんだろう と、大神は目に力を込めて目の前のセキを睨みつけた。  膝の上で、小さな体が跳ねる。  このまま恐れて、膝の上から退いてくれたらと期待するも、セキは怯むことなく逆に照れくさそうにえへへと笑った。  直江がセキをけしかける理由はこう言う図太いところなんだろうと大神は思う。  出自はともかく、セキの頭は悪くない、顔もΩらしい綺麗な顔立ちをしている、逃亡を図った際の胆力や華奢な割に体の丈夫さは折り紙付きだ。  ましてや、大神をナニを受け入れることができているのだから、直江としてはこの逸材を逃す手はないと言う状態なようだった。 「あの……時間勿体ないです、よ?」  デリヘルのようなセリフを言われ、大神はふっと苦笑を零した。 「! えへへ、あの、オレの淫乱ま〇こアナに刺さったオモチャ抜いてください!」 「おい!」 「大神さん用にとろとろに仕上げてすごく広がるやらしいアナに、改造ちん〇ん入れてオナホみたいに使って?」  

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