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狼と少年 9

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っやだぁっ!指もうやぁーだぁーっ改造ちん◯ん入れてくださいよぉぉぉぉぉ」 「うるさい」  短い返事は冷たく思えたが、荒い息の下から吐かれたために熱を持っている。 「こんなので良く準備済みと言えたものだな」 「じゅん 準備できてるはずなんですっ」  デスクにしがみついているセキがばたばたと暴れたせいで、床に落とされた卑猥な形のオモチャがゴツンと音を立てて転がった。  よくもまぁこんなものを尻に仕込んで と大神は顔をしかめたが、だからと言ってセキが自身を受け入れられる状態かと言えばそうではない。 「っ  せまい、な」  呻いて大神はこめかみを伝う汗を乱暴に拭った。 「狭くないですっ!入りますっ!オレの尻のポテンシャルを信じてくださいっていつも言ってますっ!」 「信じられるか」    大神が自身よりもずいぶんと小さいセキを抱けるのは、発情期があるからだ。  Ω特有のそれの時期は、犯されると言うことに対して負担を減らそうとする結果なのか、体全体が柔らかくなる。  けれど発情期でない今のセキでは、大神の逸物を受け入れるのは難しい。 「そんなことないですっ!アレが入ってたんですから  っ!」  ぐっと最奥に押しつけられた熱に言葉が途切れる。  奥に欲しくてあれだけ騒いでいたと言うのに、押しつけられた熱量は体を裂くんじゃないかと思えるほどで…… 「ぁ、あ、  」  オモチャで慣らし、指で散々広げて貰っていたと言うのに体は頑なだ。 「諦めろ」 「っ  や、やですっ!ぐっと!一思いにやっちゃってくださいっ!一度は入ればきっとっ大丈夫ですからっ!一度入ったら慣れて、ちゃんとできるようにな  り  ま……」  自分を見下ろしてくる男の目の中に揺らがない意思を見たのか、セキは尻すぼみになった言葉を口の中で擂り潰すようにして黙り込んでしまう。   「服を整えろ」 「……」  何も言わないまま俯いてしまったセキは大神の言葉には答えず、デスクの上でぎゅっと身を固くして座り込んでいるだけだ。 「直江に送らせる。今日はもう帰れ」 「ゃ やだっやだ!嫌ですっもう一度試してみてください!……っちゃんとやりますから!できるんです!」 「……」  大神は縋りつくセキを一瞬引き離そうとしたが、微かな鼻にかかるような泣き声に溜息を吐いて椅子へと腰を下ろした。  膝の上にセキを座らせ、俯いたままの顔を上げさせるように頬を掴む。 「ぅ゛……すみましぇ  すみません」 「泣く必要はない」 「ある!ありますぅぅぅぅうっ」  わぁっと声を上げて泣き出したセキの頬を乱暴に拭い、大神は眉間に寄せた皺を緩めることができないままもう一度溜息を吐く。  

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