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赫砂の失楽園 7

 見かけるだけで済んだことに胸を撫で下ろしたものだ。   「…………」 「   ねぇ、早くすっきりさせてよ 」  人目につかない路地裏に入るや否や、はぁっと酒の臭いをさせながらオジサンがねだりつつも股間をぐいぐいと押しつけてくる。 「ん、ごめんなさい。ちょっと焦らしただけだから」  むっとするような蒸れた臭いと立ち上る性欲を表わすフェロモンが目の前を漂う。  オジサンの前で跪いたオレはスーツのスラックスから引きずり出したソレをくにくにと掌で包むように刺激する。  この、手の中の肉の塊を勃起させてその先から白い液体を噴出させるのが、オレの金策だ。  要は、売春……だ。  こんなことなら、あの客の誘いに乗っておくべきだった と思っても後の祭りだ。  少なくともこのオジサンよりは、あの客の方が身ぎれいで加齢臭もマシだろうし……   「じゃあ、先払いでください」  勃起を始めたオジサンのブツは手を放しても項垂れたりせず、わずかに血管を浮き立たせて迷子のようにおろおろとしているように見える。 「えっ そんなの後で払うから!」 「払ってからです」  舌を出して、性器の傍でちろちろと動かしてやれば渋そうな顔をしていたけれど、スーツの内ポケットから皺の寄った札をこちらに突きつけてきた。  勢いよく突き出されて、あわや目に当たるかとひやりとしたけれど、紙一重でずれてくれたらしい。 「はーい!ありがとうございます」  ふぅふぅと息を吐くオジサンは興奮しきっているようだった。  ムリに口の奥に突っ込まれやしなければいいなと思いながら、チンカスの溜まったそれに舌を這わす。  ぷりっとした玉にも指を添え、舌の動きに合わせてころころと転がす。  目の前でもう少し大きくなったち〇こに唇を丹念に添わせ、口の中でたっぷり溜めた唾液を絡めながら亀頭を頬張る。  このオジサンのは、長さはなかったけれど太さがある分大きく口を開けなくてはならず、顎が痛くなりそうだ と先端の割れ目を丁寧になぞりながら思う。  柔らかい皮膚が張りを取り戻し、体温と言うにはあまりにも熱すぎる杭は根元から先端へ、鈴口の柔らかな部分から裏筋の敏感な所へ、相手のフェロモンの出方を見ながら舐め方を変え、吸いつく力を調節する。 「ぅ゛  ぅ゛ぁ゛ー……  」  あれだけ興奮していても、さすがに外と言う認識はあったのか、オジサンは声を堪えるように歯を噛み締めて、その隙間からうめき声を上げていた。  たっぷりの唾液を絡めて、執拗に赤い割れ目をつつきまわる。  そうするとフェロモンなんか見るまでもなくオジサンの体が跳ねて、興奮しているんだってオレに教えてくれた。  とっとと出してくれ……と思わなくもなかったけれど、一番に思うのは「満足してくれ」だ。  

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