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赫砂の失楽園 75
口の中で乳首をきゅっと吸ってやった後、その側面を下でシコシコとち〇ぽをこするようにしてやると、驚いて目を白黒させてオレを見下ろす。
にやりと笑い返してやればオレの意図なんて丸わかりだろうに、アルノリトは赤い顔のままこらえるように指を噛んで何も返事はしなかった。
だから、オレは放り出したままになっていたもう一つの乳首の周りをくるくるとくすぐると言うほどではないが、ソフトタッチで撫でまわす。
お互いの腹の間で潰れていた立派なものが、オレの乳首への愛撫によって時折ビクンと跳ね上がり、アルノリトから声が漏れる声が艶っぽくなる頃にはその先端からぐじゅぐじゅとした青臭い臭いのする先走りがあふれ出してきていた。
そのぬめりを借りて体をゆすってやると、お互いの裏筋がこすれ合ってこれはこれで絶妙な痺れを生み出す。
「んぁ っ」
「 っ、ハジ ハジメっ」
ハクハクと言葉の出ない唇は、もっと決定的な刺激を与えてくれとねだるものだ。
産毛を愛撫するように、肌の上に掌を滑らせるとアルノリトの切ない吐息ばかりが漏れて……
「ナカに入りたい?」
「君が許してくれるなら。私はいつだって、君と一つになれたら幸せだろうと思っているよ」
擦り合わせて、高め合って、このまま達してもすぐにまた絡まり合えると言う妙な確信に胸をくすぐられながら、固くそそり立ったアルノリトのモノへと手を伸ばした。
床は石でできていた。
その上で転がりまわったと言うのに体にかすり傷一つないのは、アルノリトがすべて下になってくれていたからだ。
たくましい背中にできた擦り傷に眉尻を落としながら、それでも離れがたくて寄りかかる。
「体は冷えてはいないか?」
「ん……大丈夫」
汗が冷えて体の熱を奪ってはいたけれど、傍にアルノリトがいるのだと思うとどこか温かい。
まだまだ情事は終わってはいないと言いたげに鼻先で首筋をくすぐってくるのを苦笑いで押し留める。
こんなつもりじゃなかったのに……と思いながら情事後の体を眺めるけれど、もう何もかもが手遅れだ。
とは言え、それもこれもアルノリトのフェロモンのせいだと思えば、オレが悪いんじゃないと言える。
「素晴らしかったよ、ハジメ。叶うならばもう一度 」
「っ、ストップ!ストップだ!……ったく、人をフェロモンでどうこうしようなんて、最低だぞ」
実際は状況はどうであれ、アルノリトと体を重ねるのは今までのセックスは何だったんだろうと思わせるようなもので、そこまで腹を立てるようなことではないとわかっているけれど、そう取り繕わないと恥ずかしさで倒れてしまいそうだった。
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