ゆきちゃんに会ったらギッタギッタの滅多滅多にチューするって決めてたのに。発情期を終えたゆきちゃんがあまりにも神々しくて、そんな事出来なかった。 聖が抱きしめた時に、つられて抱きついたけど、俺ずっとドキドキしてた。ゆきちゃん、こんなに綺麗で愛らしかったっけ？妙な色気が出てきたのか、俺はずっとゆきちゃんから目が離せなかった。 中学の頃からゆきちゃんは孤高の人だった。いつも一人が好きで。俺がハーレム作ってると、チラッと見てスッと逸らす眼差しに、いつも反省してた。ハーレム作っちゃうのは、俺の習性だけど。 俺はただ楽しいことが好きなだけで、別にメンバーの事が好きってわけじゃなかった。誘われたら寝たけど、あんなのスポーツと一緒だ。メンバーだってそんな奴らばかりで。 俺はゆきちゃんが好きだったけど、ゆきちゃんは発情期が来なくて、恋愛とか、その手のことに全く関心がなかった。ていうか、ほとんど知らないんじゃないかなって。発情期来た奴らのこと、凄い嫌そうな顔で見てたし。ちょっと感じ方が他の人と違ってて、俺はそんなゆきちゃんに惹かれるばかりだった。 だから聖からそろそろゆきちゃんに発情期来そうって聞いた時に、本当に嬉しくて。俺の気持ちがゆきちゃんに伝わるかもしれないって思ったんだ。だから突然消えちゃった事も、生徒会長に発情期の相手頼んだ事も、俺には凄いショックで。 俺、ゆきちゃんと恋愛したかったんだよ。それなのに俺の付け入る隙なんて全然無かったんだもん。聖も秋良もきっと同じだと思う。まぁ秋良は兄貴に取られた感があるから、別の苦しさがあるだろうけど。 俺がそんな気持ちでいたら、とんでもない話を楓さんがし始めた。俺のモヤモヤはびっくりしてどっかに飛んで行ったよ。だって、都市伝説が雪弥の父親の話なんて、ちょっと信じられない。それなのに生徒会長がびっくりするような事を言うから。 ゆきちゃんに銀の雫で鎖に縛られたって。どーゆう事なの⁉︎ でも目の前のゆきちゃんと先輩の距離感は、俺たちが居るってのにベタベタのイチャイチャだ。あの以前のゆきちゃんからは全然考えられない。 これが鎖のせいだっていうなら、俺だってゆきちゃんから銀の雫を受けたいよ。それで、イチャイチャ一杯したい。時々先輩を見上げるあの甘えるような顔で、俺だけを見つめて欲しい。それが叶うなら、俺は一生ゆきちゃんの鎖に縛られるよ。マジで。