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プロローグ**秘めた想い(3)
――ううん、有り得ない。
万が一なんてないのはわかっている。
告白しても振られるだけ。
そんなことは知っている。
でも、このまま膨らむ想いを抱き続けても次の街に行った時、苦しむのはわかっているから――。
どのみち、この街にいるのもあと数ヶ月。雅さんが褒めてくれた桜が舞うよりも少し早い季節、中学を卒業したらこの街とはさようならをするんだ。雅さんとももう会わない。
――だったら告白しても支障はない。雅さんは隣に住んでいた中学生のことなんてすぐに忘れるだろうし。
悲しむのはぼくだけだ。そう考えると悲しいけれど、いつまでも雅さんを諦めきれないぼくが悪い。面と向かって好きな人に振られるのが一番いい方法だと思うから……。
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