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初雪**この想いを淡雪にのせて(11)

 ◆    一本道をもう少し進んだところ。そこは広場。  真ん中で主役を飾っているツリーを囲むようにして、複数のカップルが眺めていた。  それでぼくは、というと――……。 「うわぁ……」  あれからショップを見つけた雅さんに買ってもらったブルーのマフラーを首に巻いて、中央に『でんっ』と飾られているツリーのイルミネーションを囲んで観覧しているカップル達と同じように立って、大きな口を開けていたりする。  本来なら薄暗闇になるはずのそこは、まるで夢の中のみたいに幻想的だった。  ツリーのおかげで周囲は白く光り輝き、薄ぼんやりとした霧のような空間が広がる。  その場の空間に興奮してしまったぼくは、繋いでいる雅さんの手のことも忘れてブンブン振りまくる。  後ろからクスリと笑う声が聞こえて我に返った時はもう遅い。繋いだ手とは反対側の手を顎に当てて微笑む雅さんの姿があった。  それは、ぼくが興奮していた姿をちゃっかりきっちり雅さんに見られていたということを表している。  ……うわわ。もうすぐ高校生にもなるのに、子供みたいにはしゃいじゃった。  恥ずかしい。  熱くなった顔を地面に向けると、雅さんがぼくの隣に立った。ちらりと横目で盗み見すれば……。  ライトアップされているツリーを見つめる雅さんの顔がなんだかとても儚い感じに見えた。それはきっと雅さんがすごく格好いいからなのと、きっとこの淡い光のせいだ。  まるで雅さんが発光しているように見えるんだ。

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