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悪夢の現実 1
あれから次の日、目を覚ました一瞬は夢を見ていたのじゃないのかと思っていた。
しかし、逃げられないようにと、柱に繋がれた手首の拘束と貞操帯が、否が応でも現実だと思わされた。
そうしてもう一つ。尻の中に圧迫感があった。
それは昨夜、挿れられた兄のと同じような──。
「おはよう。よく眠れた?」
障子の開く音がしたのと同時に兄がそう挨拶して入ってきた。
学校の制服を着た兄の姿は、誰もが振り返る程の美しい佇まいであった。
スラリと足が長いのもある。細身の足が濃い青のスラックスのお陰でより映えさせていた。
以前はそう思い、うっとりと見て、「何、見ているの」とくすっと笑われたこともあったが、今はそうとも思いたくなかった。
「兄さんッ! これ外して!僕も学校に行かないと!」
2年生になってクラス替えをし、新しい同級生達とまた1年過ごすのを楽しみにしていたのだ。
暴れて叫ぶ葵人の方へ近づいていた兄はピタリと足を止めた。
どうしたのだろうと、一瞬動きを止め、兄の様子を窺っていた瞬間、くぐもった振動音が掛けられていた布団の中から聞こえ始めた。
と、同時に来たのは先ほど違和感を覚えた中に挿れられたモノが小刻みに震え出す。
それが段々と激しさが増し、何なのかと思うが前に身悶える。
「あ·····や·····っ·····! んっ·····くっ·····」
挿れられて苦しいはずなのに、これは·····。
素直にそうだと思いたくなくて、その思考に陥られないようにと、必死に違う考えをし、腰を動かして誤魔化そうとしていた。
そうしていたせいもあり、布団が捲れ、さらに裾が大きく捲れ、貞操帯が露わとなった。が、どうにもならない。
しばらくそうしているうちに体の方は正直なようで、中心部が大きくなっていくのを感じ、葵人自身も打ち上げられた魚の如く、体全体が動いてしまっていた。
のだが、貞操帯を着けられているせいで満足に達することが出来なくてもどかしくさを覚え、息も絶え絶えに、「や、め·····とめ·····て」と必死に兄に訴えかけた。
そう何度も言っていると通じたのか、震えが止まった。
肩で息をし、身体中の汗で浴衣に張り付く気持ち悪さを覚えつつ、屈み、だらしなく開いた葵人の包まれた秘部を指先でなぞる兄を見つめていた。
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