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悪夢の現実 2
ああ、その綺麗な手で今にも破裂しそうなその部分を触って欲しい。
昨夜、夏祭りで見た時とは違う浴衣を着た兄の姿を思い浮かべ、期待した眼差しで見ていると、ふいにこちらを見てきた兄と目が合う。
「なあに、その物欲しそうな目は。すっごく可愛い。そんなにも僕にここを触って欲しいわけ·····?」
先を指先で突っつきながら、愉快そうに笑う。
触って欲しい。
我慢しきれなくて、喉元まで出かかっていた言葉を無理やり飲み込む。
「でも、だめ。完全にこれを外すのは葵が18歳になってから。トイレとお風呂の時は外すから、その時に扱いてあげる」
「え·····」
「大好きな兄といつもより一緒にいれられて、葵も嬉しいでしょう? ああ、これから楽しみだな。僕の手で葵が淫らにもっと僕好みになっていくのが」
思考が追いついていない葵人の頬に包み込むように両手で添え、その唇に自身の唇を軽く重ねた。
そのことに一拍遅れて気づいた葵人は、頬を赤くし、目を逸らす。
そんな弟に兄は愛おしげに見つめ、くすくすと笑う。
「いつまでも可愛い弟を見ていたいのだけど、僕はそろそろ学校に行かないと」
「あ、僕も学校──」
さっきも主張した言葉を言おうとした瞬間。
鋭い目つきで見てくる。
ぞわり。
今まで見たことがない兄のその視線に思わず噤んでしまい、身を竦ませていると、瞬きするほどの一瞬にいつもの穏やかな目で見つめられていた。
「昨日も言ったけど、葵はもう外に出られないからね。学校なんていう葵を汚すところなんて行かなくていいから」
そう言いながら、柱に括られていた縄を外す。
やっと外してくれると喜んだのも束の間、半ば無理やりうつ伏せにさせられると、手首の縄を解き、手首を背中に回され、再び縛られる。
後ろで縛られているだけで足は自由だから外に出られると、立ち上がろうとしたが、強く引っ張られ、再び地に伏せてしまう。
どうしてなのかと引っ張られる先を見やると、また頑丈な柱に縛ったあまりの縄を括り付けられていたのだ。
やっぱり出られないと、愕然としていると、「何、しているの」という声が後ろから聞こえた。
その声は感情が一切篭ってない、冷たい声。
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