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出会ってしまった 4
「はぁ·····に、いさ·····っ、ごめん、なさ·····あっ!·····んっ·····」
間近に迫った時、息も絶え絶えに必死になって言う声が聞こえた。
が、同時に聞こえた振動音と共にどこか艶かしい声に、自身のが勃ちかけているのに気づき、無理やり意識を別の方へ追いやろうとした。
だが、現実に目を向ければ、浴衣の姿のまま身体中に食い込むほど縄で縛られ、股に通した縄に浴衣の裾を噛ませ、さらに、Tバックだと思っていたものが、貞操帯と呼ばれるもの、肛門には太いバイブが挿れられ、それがさっき聞いた振動音の正体なのだと分かってしまい、身体は反応している自分に呆れていた。
ともかく、今は。
「桜屋敷っ、今この縄を解いてやるからなっ!」
縁側に上がり、背中に回されている手から天井の梁に繋がれている縄に手をかける。
だが、当然のようにいとも簡単には解けない。
その時ようやっと碧衣の存在に気づいたらしい桜屋敷は、「誰·····っ!?」と振り向いた。
激しく動いた後のような、顔は火照り、肩で息をしていた。
そのなんとも言えない表情にスラックスがキツくなり始めているのを感じつつ、少し目を逸らす。
桜屋敷も気まずい顔をしたものの、驚いた表情をした。
「え、ぁ·····!? 西野時、君っ!?」
「え·····なんで、俺の名前を·····」
「そ、りゃ·····っん、 同じ·····クラ·····っ、ダメっ·····帰っ、·····て·····」
「どうしたんだよ、いきなり。やっぱり、このバイブを·····」
「ダメっ!」
さっきよりも激しく動いている様子のバイブに手を出そうとした時、強い口調で言われ、思わず引っ込める。
「だ、め·····に、さん·····が·····かえ·····て」
まともに喋れなくなっている桜屋敷の様子に心配していたものの、誰かが来る足音が聞こえてきて、急いでその場から離れた。
そして、塀を登り、地面に着地した後、桜屋敷先輩が悶えている弟に優雅な足取りで近づいていたのを桜の穴から覗いていた。
何故か兄が来ることが分かっていた桜屋敷に疑問を持ったのも束の間、目を疑う出来事に遭遇した。
先輩が桜屋敷の尻を撫でた後、その顔に自身の顔を近づけ──。
これ以上見ていられなくなった。
その足で四限目が始まっている学校へ行き、昼休憩でいつもの友人らに声を掛けられても、生返事が出来なくなっていた。
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