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夏の暑さより·····。 2

チリン、チリン。 縁側にぶら下がっている風鈴の涼やかな音が聞こえる。 夏になっていたんだ。 兄が言っていたことも思い出しつつも、改めて思った。 そろそろ学校は夏休みが始まる。今頃行っていたならば、クラスの人達と夏祭りや花火、海に行ったりもしていたかもしれないと思うと、聞こえてくる風鈴の音さえも耳を塞ぎたくなるぐらい嫌な音に聞こえ、辛い気持ちが湧き上がってくる。 「いいな·····。僕も皆と一緒に行きたいな·····」 膝を抱え、顔を埋める。 段々とどうすれば兄の機嫌が取れるのか分かってきて、そのお陰かお遊びは無くなっていき、前の拘束と後ろの責め、逃亡防止に足に短く縄に繋がれているぐらいで、見た目では楽に感じられた。 その代わりに風呂の時に後ろに挿れているモノで激しい責めに遭い、何度も絶頂させられたり、最近では、「これからのために」と、兄のモノを舐めさせられている。 未だにわけの分からない行為に戸惑いと恥ずかしさで気づけば顔を赤くしていた。 「いけない。いけない。他のことを考えよう」 他のこと言えば··········西野寺のこと。 自分のことのように怒ってくれて、また来てくれる約束をしてくれた彼はあれ以来、来ていなかった。 頻繁に来ていたら、そのうち誰かに気づかれてしまうかもしれないけど、でも。 「会いに来て。西野寺君·····」 いつの間にか涙声になっていた葵人の小さな願いは風鈴の音にかき消されるのであった。

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