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夏の暑さより·····。4

「おーー! 良かったー!ラス1だったじゃん! 俺ってばラッキー!」 「良かったな。·····碧衣ちゃん、どうかした?」 「あ、いや·····なんでもねぇ」 屋台の人にお金とリンゴ飴を交換し、それを山中にあげると、「マジ、サンキューな!」と満面の笑みを見せる。 『ありがとう、西野寺君!』 一瞬、リンゴ飴を持って笑う桜屋敷の顔が過ぎったが、こんなの自分のただの妄想だと、首を振る。 その異様な様子に友人らは、「なぁ、やっぱ、どっか具合でも悪いのか?」と心配する声が聞こえ、ハッとして二人を見やる。 「いや···············人酔いしたかもしれねぇ」 「え、それやべーじゃん! どっかで休もうぜ!」 「いや、いいって」 「いやいや、遠慮するなよ。碧衣ちゃんは変に遠慮するんだからさ。こういう時は遠慮せずに、俺らに頼れよ、なっ?」 「·····あぁ、さんきゅーな」 「いいってことよ!」 石谷は笑い、山中はリンゴ飴を齧りながら、親指を立てる。 そんな二人に、苦笑気味に笑う。 そんな二人と出会ったのは、一人でいたところを何気なしに声を掛けてきたのがきっかけだった。 二人は中学の時からの友人で、石谷は頭は良く、山中はなぜ入れたのか奇跡としか言いようがない頭であった。そんなであるからか、何かと目立つ碧衣に面白そうだからと声を掛けてきた、というのがしばらくして言っていたことだった。 碧衣の家柄を全く気にせず、気軽に話せる友人二人をぎこちないながらも、友人関係を続けられた。 この二人に心の中で改めて感謝をし、「ここで良くないか?」と言っている時、ソレを見つけた。 気づけば釘付けになって見ていた碧衣に、「え、何、碧衣ちゃん。食べたくなったの·····?」と驚きの声音で石谷は訊ねたことにより、我に返り、恥ずかしさで顔を俯かせる。

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