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春の誕生日と儀式に。10
葵人が今までいた部屋に戻ると、葵人が使っていた布団が敷かれていたところには、二人分の真っ赤な布団がぴったりと、隣同士くっついて敷かれていた。
その真ん中辺りに葵人をそっと置こうとするものの、葵人が首に手を回したまま離そうとしない。
「葵。一旦離してもらえるとありがたいのだけど」
「やだ·····キスしてくれるまで、離さなさい」
小さく、呆れより、可愛くねだってくる弟に、苦笑気味にため息を吐きつつ、それに答えるように唇を重ねる。
そうしていると、葵人から口を開き、舌を入れてくる。
思ってもみなかった弟の行動に、一瞬驚きはしたものの、そうしてくる葵人が嬉しくて、受け入れる。
くちゅ、くちゅと葵人と碧人の舌が絡み、淫らな水音が頭に直接響き、同時に葵人の秘部は粗相をしたかのように、びしょびしょに濡れていく。
シたくて、シたくて、たまらない。
その言葉が頭の中で埋め尽くされ、一旦兄の唇から離れ、力が抜けていた葵人は布団の上に仰向けになり、白無垢を脱がしていく兄に、「早く·····っ、貞操帯、取って」と潤んだ瞳で見上げる。
貞操帯を取って欲しいのはたしか。
今まで以上に反応して、それが器具にくい込んで死ぬほど痛いから、解放されたいのだ。
帯を解き、掛下を脱がしていた兄は、「これを脱いでからね。苦しいでしょ?」と慰めるように額にキスを落としてくる。
愛しいと感じるキスに、また秘部は反応をしてしまい、苦痛で顔を歪めた。
早く。早くして。痛くて仕方ない。
掛下を脱がされた直後、耐えきれなくなった葵人は自ら足を大きく開き、長襦袢の裾を捲ると、「早く! 早く、取って」と戒められて震えている秘部を見せつける。
「しょうがない子」
困ったように笑うと、首元を手繰り寄せ、ネックレスを取り出すとその先にあった鍵を手に取って、貞操帯の錠前に差し込む。
ガチャリ。
手応えがあった音がしたと共に、中心部から貞操帯が取り払われる。
「あぅっ!」
その時の擦れと、やっと解放されたのもあって、ぶるんっと大きく張り、小刻みに震え、先端からは涎が垂れに垂れていた。
「可愛い声。そんなにも触れて欲しかったんだね」
くすくす笑う兄に恥ずかしくてかぁっと頬が熱くなる。
少しでも触れたら達してしまいそうな葵人のモノに、「こんなにも欲しそうに震えて」とあろうことか、その先端に指先でつんと突っつかれる。
「ああっ!!」
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