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周期について 4

「葵人様。入りますよ」 若い女性の声。西野寺が連れて来た福井のようだ。 「どう、ぞ·····」 短く返事すると、福井は入るなり礼をしたのを早々に、「葵人様、お着替えをしましょう」とためらいもなく、浴衣を脱がそうとする。 「い、いいですっ、自分でやりますからっ」 「そのような身体では無理でしょう、と何度も言いました。いいのですよ。お気になさらなくても」 「で、でも·····っ」 言いながら、碧人の抵抗は虚しく、テキパキと新しい浴衣と敷布団を替えた。 それもいつものことだが、あまりにも俊敏で呆気に取られた。 「いつもすみません。いつ来るか分からなくて·····」 掛け布団を掛けてくれた後、ポンポンと腹部辺りを優しく叩いてくれる福井に、申し訳なさそうに言う。 「いいのですよ。私も最初の頃は、いつ来るのか、しばらくしてから分かってきましたし」 ふんわりと包み込むように笑いかけてくれた。 彼女は、主に葵人の身の回りを世話してくれる一人で、年齢と柔らかい雰囲気から母親のように思え、こうして今もあやすかのように優しく叩いてくれる手が心地よく、眠ってしまいそうになる。 母親というものを知らない葵人は、母親がいたら、このような感じなんだろうなと思っていた。

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