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周期について 9
何か言ったかと返す西野寺にしどろもどろする。
つい反射で言ってしまったが、言う言葉が見つからない。
「西野寺君に言ってもしょうがないけど」
どうした、と訊ねてきたしばらくした後、ぽつりとそう前置きをして、
「僕自身が覚えていない、いわゆる発情期の時、僕の意思ではない、きっと普段言わないことを言っているのでしょ? 恥ずかしいし、それが毎回、いつ終わるか分からないし、かと言ってそれが終わったら生理で、それはそれで、お腹は痛くなるし、今も話すのが辛くて·····。毎回、嫌で仕方ないの」
声が、震えていた。
腹痛のせいなのか、はたまた、気づかないうちに悲しくなってきたのか。
自分のことなのに、今どんな気持ちなのか分からなくて、ぐちゃぐちゃしている。
本当にしょうもないことを脂汗を滲ませながら、腹痛に耐えながらベラベラ話してしまったものだ。
何も言ってなかったことにしたいが、声に出したら、涙が溢れそうになって。
腹痛と共に堪え忍んだ。
こんなことを言って西野寺はきっと、呆れている。今も彼から一言すら返ってくる言葉がない。
「本当に、俺じゃどうすることも出来ないな」
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