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囚われの身***12
「ちがっ……」
マライカは違うと口を開くがファリスはまったく聞く耳を持たない。
顔面を蒼白にしているマライカを漆黒の目に宿し、ほくそ笑むばかりだ。
この先にあるのは死よりも恐ろしいものなのか。ファリスの笑みがさらにマライカの恐怖心を煽る。
「そんな初心な振りをしても無駄だ。お前のここでダールを咥えたんだろう? 腰を振って精を強請ったのか?」
後孔の入口にファリスの指が触れた。
その途端、マライカはようやく自分が何をされようとしているのかを理解した。身体中から血の気が引いていく……。
「いや、やめて。いやだ……」
涙を流し、この行為を止めてほしいと必死に懇願するも、首を振り続けるマライカの姿を目の前にして苛立ちが頂点に達したのだろう。ファリスは歪めていた口を引き結んだ。
直後だった。マライカの後孔に硬くて太い何かが打ち込まれた。
マライカは突然の出来事に自分の身に何が起きたのか判らず、息を詰めた。
目を見開き、見下ろせば、赤黒く変色した、マライカよりもずっと太い楔がマライカを貫いているではないか。状況を理解した途端、全身に向けて引き裂かれんばかりの激痛が走る。
恐怖と苦痛で支配されたマライカは悲鳴を上げ、首を振る。
初めての行為でもあるこれは、たとえ初恋だった相手でも、マライカは望んではいない。この行為は陵辱だ。
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